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患者の少ないがん(5)情報不足 自分で論文探し

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患者の少ないがん(5)情報不足 自分で論文探し

子宮平滑筋肉腫の治療を受けた後、復職して調剤薬局で働く斉藤さん

 北海道旭川市の薬剤師斉藤志織さん(49)は40歳代初め頃、子宮筋腫と診断された。半年たらずで倍の直径10センチになったため、大学病院に移り、女性ホルモンを抑える注射で筋腫を小さくする治療を受けた。

 筋腫は半年間の治療で半分の大きさに縮小。ところが2か月後、再び10センチの大きさに戻ってしまった。

 医師は「こんな急激に大きくなるとは。悪性腫瘍の疑いがある」と説明。2012年、手術で子宮を摘出した。切除した組織から、悪性の「子宮平滑筋肉腫」が見つかった。

 子宮平滑筋肉腫は、年間280人前後が発病するとされる。有効な治療法は確立されておらず、腫瘍が子宮にとどまる早期でも半数近くが再発する。斉藤さんは、手術で骨盤内や大動脈周辺のリンパ節転移を切除し、2種類の抗がん剤治療を4か月間続けた。

 職業上、医療には詳しい斉藤さんだが、それでも「当時、情報不足には悩んだ」と話す。周囲には同じ病気の人はおらず、インターネットでも信頼できる情報は少なかった。

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