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渡辺専門委員の「しあわせの歯科医療」

コラム

歯が磨けているのは10人のうち1、2人!?

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隙間に歯ブラシを当てる

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上の奥歯の裏側を磨くコツ。歯ブラシの柄を前歯の中央に来るようにする

 「虫歯や歯周病になるということは、口の掃除に問題があるわけです。掃除がちゃんとできるようにならないと治療はうまくいきません。うちの初診は、口の写真を撮影して診断した後は、歯ブラシの指導だけで終わります」という歯科医に誘われて歯ブラシ指導を受けてみました。

 この歯科医、インプラントをテーマにした一般向け著書のページの4割をお口の掃除の方法に充てたほどのこだわり。地味な内容のためか、既に絶版です。指導は腹心の歯科衛生士さんが担当してくれました。

 「上の奥歯の裏側に歯ブラシを当ててみて下さい。ここに歯垢が残っていましたよ」と言われて、やってみます。「それではブラシが斜めになっているので、歯と歯の隙間に垂直にちゃんと当たっていません。歯ブラシの柄が前歯の真ん中に来るようにして当ててみましょう」

 「はい、それで当たっています。汚れをかきだすように動かして下さい。そうそう、それでいいです」

 歯ブラシ指導なんて、子どもに戻ったような気もしますが、50男にも学ぶところ大です。

当たっている感じを意識する

 歯ブラシの先を使ったり、かかとの部分を使ったり、歯と歯肉の隙間に位置を定めて、歯ブラシを小刻みに動かします。奥歯だけではなく、前歯の裏も要注意。特に下側は磨き残しが多いそうです。上下の前歯や奥歯など各部位ごとに歯ブラシの当て方、動かし方について手取り足取りといった感じで指導を受けました。診断と指導の1時間で自費の負担は8640円。学んだことを身に付けないともったいないと思わせるに十分な金額です。

 この指導の後、歯と歯茎の間に歯ブラシが当たっている感触を確かめながら磨くようになりました。「こんなやり方も知らなかったのか」と思う方もきっとおられるでしょう。筆者自身、以前にも、このような指導を受けたことがあったような記憶がうっすらとあるのですが、喉元を過ぎると忘れて我流の歯磨きに戻っていたようです。

一度磨けるようになっても、また、自己流に戻りがち

 「きちんとお口の掃除ができるようになっても、しばらくすると元の自己流に戻ってしまう方は多いですよ。長年の癖は抜けないものです。ですから、お掃除をきちんと続けるために定期的に通っていただきたいです」と歯科衛生士さんから言われました。年を重ねるとともに、治療を受けたり、歯並びが変化したりして、掃除のポイントが変わってくる場合もあるでしょう。その意味でも折々、掃除の仕方をプロにチェックしてもらう必要があるというのは納得のいくところです。

歯科医院によって指導はいろいろ

 この1年、4、5人の歯科医や歯科衛生士さんに指導を受けてきましたが、筆者の歯並びなど個人の特徴に合わせて指導する人もいれば、ごく一般的なフロスや歯間ブラシの使い方のアドバイスのみということもありました。

 半年前まで別の自費診療の歯科に何度か通って指導も受けましたが、そこでは、「フロスを入れて、歯に沿わせるように引き上げましょう」といったフロスの実地指導が中心で、歯ブラシの指導はなし。また、保険で歯周病の検査を受けてみましたが、そこでは、歯科衛生士さんから「この場所に歯垢がたまりやすいので、フロスを使ってくださいね」と一言だけでした。

形ばかりの指導も

 歯科衛生士さんたちの話を聞くと、「保険だと時間がとれないので、型通りの内容を伝えるだけということも多いです」とか、「何軒か歯科医院で働いてきましたが、歯磨き指導は歯科衛生士任せのところも多くて、学校で勉強したことを基に自分なりにやっています」という声もありました。一口に歯磨き指導といっても、かける時間や方法、力点など診療所や担当によって微妙に異なります。日本歯周病学会では、専門知識と経験のある人を認定歯科衛生士として認定しています。そうした専門性のある歯科衛生士さんもいるので、納得感のある指導を受けられる所に通いたいものです。

お掃除には10~15分はかかる

 ということでお口の掃除を学び直して1年。以前は、歯磨きは1~3分で終わらせてしまうことが多くなっていましたが、指導通りに、歯ブラシとフロスや歯間ブラシを使うと最低10~15分はかかります。きちんと掃除をするには、最低でもこの程度の時間は必要だと言われます。そうして習慣を変えると、朝、目覚めた時も、「朝の口」の嫌な感じが薄れた感じがします。

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★【完成版】しあわせの歯科医療2 300-300

渡辺勝敏(わたなべ・かつとし)
読売新聞記者(メディア局専門委員)。1985年入社。 秋田支局、金沢支局、社会部を経て97年から医療を担当。2004年に病院ごとの治療件数を一覧にした「病院の実力」、2009年に医療健康サイト「ヨミドクター」を立ち上げた。歯科については歯茎や歯根があやしくなってきた10年来、患者としても関心を持たざるを得なくなっている。立命館大学客員教授。

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