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大人の健康を考える「大人び」

コラム

患者力(9)治療参加 積極的な姿勢で

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  このシリーズでは、元和歌山市医師会長で、田中内科医院(和歌山市)院長の田中章慈さん(71)に聞きます。(米井吾一)

 

患者力(9)治療参加 積極的な姿勢で

 手術翌日の昼から、食事が許されました。夕方には点滴用の静脈ルートも外され、両手が自由になりました。その翌日には、手術をした左肺からドレーンチューブを抜き、主治医からは「このまま経過が良ければ明日退院してよい」と言われました。一日も早く退院したいと願う私にとっては、うれしいお告げでした。

 夜になり、シャワーを浴びることにしました。看護師さんに教わりながら、チューブを抜いた傷口をテープで覆い、シャワーの水が入り込まないようにします。本当はシャワーの必要はなかったのですが、退院して自宅で浴びる時のことを考え、病院でテープの使い方などを習得しておこうと思ったのです。

 一夜明けたレントゲン検査などでも問題はなく、退院許可が下りました。肺がんの手術から3日後のことです。普通なら退院までは1週間以上はかかるのではないでしょうか。

 医師だから早く退院できたのだろう、と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。

 早く歩けるようになるにはどうするか、主治医に言われるまでもなく、自分なりに考え、入院前から体調を万全に整え、呼吸訓練を行い、手術後はベッドで痛みをこらえながらも、“イメージ歩行”をしてきました。退院前、私が歩く姿を見た看護師さんは「とても手術を受けた人に見えない」と言いました。

 ただ単に与えられる治療を受けるのではなく、自分自身で病気の向き合い方を考え、積極的に治療に参加しようという姿勢こそ大事なのです。

【略歴】
田中 章慈(たなか しょうじ)
1973年、和歌山県立医科大学卒。同大学助手を経て、和歌山赤十字病院第二内科副部長。85年、田中内科医院開設。2008年から13年まで、和歌山市医師会会長を務めた。日本臨床内科医会理事。

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