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宮本亜門さんが診断を受けた「前立腺がん」とは?

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手術、放射線治療で性機能が損なわれることも

 がんが見つかっても悪性度が低ければ、定期的にPSA検査を受けて経過を観察していく。悪性度が中程度以上になれば、手術と放射線を組み合わせる治療が多く行われているという。

 「手術も放射線治療も、性機能がある程度損なわれることがあるので、その人のニーズによって治療を待つ場合もあります。尿漏れの後遺症も、人によって起こりやすさが違います。尿道 括約(かつやく) 筋に覆われた部分の尿道の長さには個人差があって、短いと手術後に尿漏れを起こしやすいので、手術ではなく放射線治療を勧めることがあります。その人の年齢や病態、生活上の希望によって治療法を提案するのが前立腺がん治療の特徴です」

 前立腺がんは特に骨に転移しやすく、転移がある場合は、従来、男性ホルモンを抑える薬を注射するホルモン療法が行われ、効果がなくなってきたら抗がん剤による治療に切り替えてきた。しかし、その治療は変わりつつあるという。

 「転移している場合も前立腺の摘出手術をしたり、最初から抗がん剤を投与したりする積極的な治療が行われるようになり、良い結果が出ています。一方で、以前は悪性度が低い場合にもホルモン療法が行われていましたが、男性ホルモンが失われると意欲が低下して生活の質を損なってしまうこともあるため、治療はせず経過観察をする方向に変わっています」

 前立腺がんは、動物性脂肪の摂取量の増加とともに、世界的に増えており、今後も患者は増えていくと見られる。進行が遅く寿命に関係しないことが多い一方で、治療によって排尿や性機能に影響が残ることを考慮し、患者側としては、がんと診断されても焦らず、自分のがんの特徴について説明を聞き、どのような治療を選ぶか決めたい。(渡辺勝敏 読売新聞専門委員)

堀江重郎(ほりえ しげお)
順天堂大学大学院泌尿器外科学教授。1985年、東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院、帝京大泌尿器科教授を経て2012年から現職。前アジア太平洋前立腺学会理事長、日本抗加齢医学会理事長、日本Men’s Health医学会理事長。

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