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うんこで救える命がある 石井洋介

医療・健康・介護のコラム

僕が「うんこ」を背負う理由

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「情報の違いで人生が変わる可能性がある」

 そんな僕を救ってくれたのがインターネットでした。検索した情報掲示板で、人工肛門を閉鎖する特殊な手術があることをたまたま知りました。回腸嚢かいちょうのう肛門管吻合ふんごう術と呼ばれる手術で、横浜市の病院で受け、無事人工肛門を閉鎖することができました。「持っている情報の違いで、人生が変わる可能性がある」と感じる機会でした。

 このとき人工肛門を閉じる手術をしてくれた外科医は、僕にとって恩人であり、ヒーローでした。僕も患者を救う外科医になりたいと考えて猛勉強し、その後憧れの外科医として出発しました。恩人である医師の下で働き始め、「ここで頑張れば誰でも助けられる」という気持ちで外科手術に 邁進(まいしん) しました。

手術では治せない悔しさを経験

 しかし、中には外科手術だけでは解決しない問題にもたくさん直面しました。病気が進行し、手術の腕をどれだけ磨いても治せないという悔しい思いもしました。手術は成功したにもかかわらず術後の合併症で苦しむ患者さんや、手術は成功したけれど、帰宅までの調整に時間がかかり、足腰が弱って介護施設に行くことになってしまった患者さん等、必ずしもいい結果に終わらなかった方とも多く出会いました。

 手術だけでは解決しない問題にたくさん直面したことが、その後、うんこを使って大腸がんの啓発を行う活動、厚生労働省への出向、在宅医療への挑戦など様々なキャリアチェンジにつながっていきます。いずれも困った患者さんの問題を解決したいという一心でした。

 一般的な外科医とは異なるキャリアを歩み、医師の仲間から「流浪医」と呼ばれたりもしています。そんな「うんこ」に翻弄され、流れるように生きてきた医師の視点から、今後、話を展開していきたいと思います。こんな話が聞いてみたいなどのリクエストもお待ちしています。

 それでは、本日から連載開始です。(石井洋介 日本うんこ学会会長)

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ishiyousuke_prof

石井洋介(いしい・ようすけ)

 医師、日本うんこ学会会長

 2010年、高知大学卒業。横浜市立市民病院炎症性腸疾患科、厚生労働省医系技官などを歴任。大腸がんなどの知識の普及を目的としたスマホゲーム「うんコレ」を開発。13年には「日本うんこ学会」を設立し、会長に就任。現在は、在宅医療を展開する山手台クリニック院長、秋葉原内科saveクリニック共同代表、ハイズ株式会社SHIP運営代表、一般社団法人高知医療再生機構特任医師。著書に「19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと」(PHP研究所)など。

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