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患者の少ないがん(3)治療後も後遺症の不安

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患者の少ないがん(3)治療後も後遺症の不安

会社員男性の長男(右)は、横紋筋肉腫の再発を乗り越えて元気に過ごしている

 東海地方の会社員男性(41)は2013年夏、当時2歳の長男(8)が、発熱とともに右脚の付け根が腫れているのに気づいた。

 地元のクリニックや大学病院を受診したが、解熱剤や抗菌薬を処方されただけ。原因は不明で、腫れは治まらないままだった。

 「そのうち消えるだろう」と様子を見ていたが、1年後に受診した別の大学病院で「横紋筋肉腫の疑いがある」と告げられた。

 横紋筋肉腫は、筋肉細胞の一部ががん化したもので、泌尿器や生殖器、 頭頸部とうけい 、手足にできやすい。年に100人が発病するとされ、多くは子どもだ。

 標準的な治療法は、手術に複数の抗がん剤や放射線治療を組み合わせる。

 長男は、右側の精巣などを切除。抗がん剤治療と、骨盤内に転移していたがん細胞をたたく放射線治療を受け、1年後に退院した。

 しかし約半年後の16年2月、右の腎臓のリンパ節付近に再発。横紋筋肉腫の再発には、確立された治療法はないと説明された。

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