認知症介護あるある~岡崎家の場合~
医療・健康・介護のコラム
これも「認知症の人あるある」? ティッシュを溺愛する父

漫画・日野あかね
夫婦2人暮らしなのに…大量消費の謎
「うちに来るついでに、ティッシュペーパー買ってきてくれない?」と、母さんからよく電話が入ります。現在の岡崎家は母さんと父さんの2人暮らしなのに、5箱セットで売られているティッシュのボックスを2セット以上、つまり10箱以上もひと月に使ってしまうのです。その理由は……父さんです。
認知症の症状が進むにつれて、父さんは「ティッシュ命」とでも言わんばかりに、常に自分の手の届くところに箱のティッシュを置くようになりました。鼻をかむのはもちろんですが、ちょっと手が汚れただけでも、「資源を大切に!」の逆をいくノリでティッシュをシュッシュ、シュッシュと箱から引き出して使いまくるのです。
ポケットにイン → 洗濯して大惨事
私が理解に苦しむのは、何もなくてもティッシュを何枚か引き出して折りたたみ、ズボンのポケットなどにしまい込むことです。皆さんもご経験があるかと思いますが、それに気づかず洗濯をしてしまい、脱水後に洗濯機のフタを開けた時の絶望感たるや……。主に被害を受けるのは母さんで、深~いため息をつきながら、洗濯物や洗濯槽に貼り付いたティッシュの残骸を掃除する日々なのです。
そんな“ティッシュラブ”の父さんに「なんで、そんなにティッシュをいっぱい使うの?」と尋ねたことがありました。すると「オレはそんなに使ってないぞ」と、本人は大量使用の自覚がないのです。
母さんは「もう、もったいないなー」と嘆いています。私も、「もう少し、大切に使おうよ」と注意したこともあります。ですが本人が無駄遣いをしている認識がないので、まったく効果はありません。
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