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シンガー・ソングライター 水越けいこさん

一病息災

[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(5)明るく優しく成長 幸せ

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[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(5)明るく優しく成長 幸せ

 もう一度、音楽――。

 気持ちが再び歌に向かうまでの経緯をすべてプロデューサーに話し、幸いにも理解してもらえた。

 自分の意識も変えた。

 「この子を守る」「体を強くしてあげる」「パートで働く」などで、余裕がなかった気持ちを、少し音楽に傾けた。ピアノで曲を作り、歌詞を書く。絵画展を見に行ったり、本を読んだりする機会も増やした。息子の様子に注意を払いながら、レコーディングやライブを再開させた。

 その頃、息子はどんどん強くなっていた。小学校は普通学級に通ったが、友達に恵まれ、いじめに遭うこともなかった。

 中学、高校は都立の特別支援学校へ。その時々で、苦労をすることはあったものの、人間が大好きで、思いやりのある、明るい青年に育っていった。

 26歳になった現在は、一般就労を目指す支援所で職業訓練を受けたり、期間限定の仕事をしたりしている。正規雇用の職に就くことは簡単ではなく、母子ともに焦ることもある。それでも息子がダウン症で生まれたことを残念だったと感じる瞬間は、まったくない。

 「何が幸せで、何が不幸かは人それぞれ。私の場合は、彼の明るさ、優しさのおかげで、幸せに生かしてもらっているんです」

 (文・染谷一、写真・松本剛)

 

  シンガー・ソングライター 水越けいこさん(65)

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