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医療・健康・介護のコラム

【女優 木村多江さん】(下)「器用じゃないし、人間関係もうまく作れない」 女優でなかったら「陶芸家かも」

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「ただ、舞台に立ちたかっただけ」

木村多江さん

――いつから女優志望?

 女優になろう、役者になろう、という発想はありませんでした。ただ、舞台に立てたらうれしいなと思っていただけです。たまたま入った今の事務所で「映像も興味ある?」と聞かれ、テレビや映画に出たら、いつの間にか女優と呼ばれるようになりました。

――子どものころ、人前に出るのは好きだった?

 得意ではなかったです。バレエを習っていましたが、自分がお姫様になったかのような妄想に浸るのが好きだっただけです。中学校で演劇部に入ったのは、自分のアイデンティティーを確立するために、芝居をすることが必要だと思ったからです。

――高校を卒業後、ミュージカルを学ぶ専門学校に進みましたね。

 同級生はみんな大学に行く高校だったので、親を説得して許してもらいました。でも、父親は、専門学校を卒業したら就職するか、結婚するものと考えていたみたいです。私も、バレエの延長のような感覚でミュージカルに出たいと思っていて、職業としては意識していませんでした。専門学校を卒業して、何かの書類に自分の肩書きを書かないといけなくなった時に初めて、「私は舞台役者かな」と意識したぐらいです。

30歳のころ、忙しすぎて脳疲労 思いたって4日間の断食

――女優になって大変だったことは?

 30歳のころ、ドラマが3つぐらい重なったりしてすごく忙しく、毎日の睡眠が3時間ぐらいでした。がんばってセリフを覚えても、納得する表現ができず、現場でも何か周りとうまくいかない。すべてが行き詰まった感じで、自分は何がしたいのかなと考えた時に、ふと「断食したい」と思ったんです。

 4日間休みがとれて施設に行きました。断食中はすることがないので、霧の中、小さな池の周りを怖々散歩したんです。実力がないのに、やみくもに進んでいる自分の状況と重ね合わせて歩いていたら、いつの間にか元の場所に戻っていて、「今はまだ先が見えないけど、一歩一歩進んでいけばいい」ということかなと思いました。当時は忙しすぎて、一種の脳疲労を起こしていたんですね。

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