40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
「孤独死保険」が人気…おひとりさま、いくらあれば死ねる?
「孤独死」という言葉を聞いて、どんなイメージを持ちますか? 今や、孤独死は「ごく当たり前に起こっている出来事」です。
ヒットした保険商品「無縁社会のお守り」
いわゆる「孤独死保険」が、売れています。孤独死保険とは賃貸物件用の保険の一種で、保険の掛け主は大家さんです。賃貸物件で孤独死などが発生した時、部屋を原状回復する費用や、事故後に借り手がなく空室になった場合の家賃損失などを補償します。アイアル少額短期保険が発売した商品「無縁社会のお守り」が先駆けで、東京海上日動火災保険といった大手損保も参入し、一大市場となっています。
孤独死保険が売れるということは、それだけニーズがあるということ。お金の流れを眺めていると、社会の変化に気づきます。
20年後は、約4割が「一人暮らし」
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」によると、2040年に一人暮らしをしている人の割合は、世帯総数の39.3%、つまり約4割を占めるそうです(グラフ参照)。20年後、今のの40代が老後の入り口に立った頃ですね。

「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」をもとに筆者作成
高齢者の独居率も高まります。15年から40年までの間に、65歳以上の男性の独居率は14.0%→20.8%、女性は21.8%→24.5% と上昇するようです。つまり、20年後、男性高齢者の約5人に1人、女性高齢者の約4人に1人が、一人暮らしをする社会になると予想されているのです。「孤独死への備え」は、今後ますます必要とされるのかもしれません。
1 / 2
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。