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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

コラム

眼球使用困難症候群で身体障害者手帳…認定の動き

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「眼球使用困難症候群」で身体障害者手帳…認定の動き

 身体障害者福祉法は1949年(昭和24年)にできた法律で、視覚障害者の認定はこれによって行なわれます。今日まで何度か改正は行われましたが、視力と視野によってしか視覚障害が認定されないという基本は変わっていません。

 一見、合理的なように見えますが、救済されるべき人が救済されない現状があることは間違いありません。法律施行から約70年の間に、医学も、社会環境も、人々の考え方も大きく変化しているので、仕方がないといえばその通りです。

 例えば、このコラムでも何度か取り上げた「眼球使用困難症候群」は、視機能自体はよくてもそれを使用するのが困難な場合の総称です。

 医学的事例としては、勝手にまぶたが閉じて自在に開けられない 眼瞼(がんけん)痙攣(けいれん)開瞼(かいけん)失行(しっこう) 、高度のまぶしさが常在する 羞明(しゅうめい) 症候群がまず挙げられます。これらは事実上の視覚障害で、原因は脳の誤作動だと考えられています。また、脳機能を不可逆的に損なう脳炎、変性疾患や脳腫瘍などによる眼球運動の異常も、日常生活で目を使うことを著しく困難にします。

 さらに、視力視野はよくても、字がゆがんだり躍ったりしてしまうために読むことに困難を感じる読字障害(ディスレクシア)などもこの症候群に入れることができます。

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201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任し、15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人---心療眼科医が本音で伝える患者学」、「健康は眼に聞け」「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「目の異常、そのとき」(人間と歴史社)、医療小説「茅花流しの診療所」(青志社)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半には講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

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