宋美玄のママライフ実況中継
医療・健康・介護のコラム
私が「家事をしている姿」を子供に見せない理由
家事に完成度を求めすぎる日本
OECDの調査では、日本人女性は、家事に従事する時間が他国に比べて長く、睡眠時間が短いという結果でした。「家事、育児は女性がするもの」という認識が根強いことに加え、自分や家族が求める「家事の完成度」が高いということも原因の一つだと思われます。手料理にこだわる(過去のコラム「 バタバタ育児、どこで手を抜くか )」参照)だけでなく、洗濯や掃除を毎日したり、アイロンをビシッとかけたり。ちなみに、わが家のアイロンは、ワッペンを取り付ける時以外、出動しません。
中学生の時、英語の授業で、アメリカ人の先生に「This is the way we」で始まる「月曜から日曜まで、毎日何々をする」という内容の歌を習いました。その歌では、洗濯も掃除機かけも週1回しかしていないことになっていました。「アメリカでは、床はそんなに汚くていいのか!」なんて、クラスメートとツッコミを入れていたのですが、今思えば、毎日洗濯してアイロンをかけて畳んで棚に戻して……という日本の高い家事レベルに慣れすぎていたのだろうと思います。
ジェンダーバイアスを引き継がないために
頑張って家族のために掃除、洗濯をすることで、「女性が家事をするもの」というジェンダーバイアスを子供の世代に引き継ぐのは、果たしてハッピーなことなのか……と思ってしまうのです。
娘には、「家事は誰がやってもいいこと」「いろんな仕事があるが、家庭内の家事労働は評価されにくいこと」「片付いた家や洗われた衣服は、自動的にそうなっているのではなく、自分でも家事をやらないといけないこと」「他人のおうちに口を出し過ぎてはいけないこと」などを伝えました。相変わらず、私は家事に不熱心に見えるでしょうが、娘はもう気にしていないようです。(宋美玄 産婦人科医)
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色んなことを犠牲にしてここまできた
これでいいのか…
これからは先生の考えが当たり前の時代ですね。。。【日本にその感覚が当然とされるのが遅すぎる】でも社会や男性の家庭への考え方が変わるのにはもう5年...
これからは先生の考えが当たり前の時代ですね。。。【日本にその感覚が当然とされるのが遅すぎる】でも社会や男性の家庭への考え方が変わるのにはもう5年、いや10年、、、いやきっと、今の幼児たちが家庭を持つようになるころにやっと主流になるのかな~と感じます。 覚悟はしてましたが【自分で決めた道だが】色んなことを犠牲にして育児、家事を一人でこなしている現在、幸せとは思えず、こんな気持ちで子どもたちに申し訳なさを感じて日々過ごしてます。。。
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ほかの家庭と比べても疲れるだけ
平々凡々
将来子供がこうなったら大変だとか、これをやらせておけば(習い事など)大丈夫だとか。まだこない未来を想像して先生はばたばたしているように感じます。...
将来子供がこうなったら大変だとか、これをやらせておけば(習い事など)大丈夫だとか。まだこない未来を想像して先生はばたばたしているように感じます。
先生は先生の生活なので、そのまま続行してなんら問題ないでしょう。
そのまま子供さんやご主人やお母さんと過ごしていいと思います。
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うちもです!
もも
私は宋先生の今回の記事を支持しています。 この価値観を一般化することが今後の社会を 良い方向に変えていけると思っています。 性別役割の固定化が社...
私は宋先生の今回の記事を支持しています。
この価値観を一般化することが今後の社会を
良い方向に変えていけると思っています。
性別役割の固定化が社会システムの歪み、
個人の生きづらさにつながっていると思うからです。
我が家も、性別役割を子どもに押し付けないように
家事や育児は私も夫も行います。
成人した時に子どもが性別役割について固定化した
感覚を持って欲しくないからです。
各家庭での価値観はありますが育児家事に追われて
家族に優しく出来ない方が家族には問題だと思います。
私は仕事後に乳幼児3人のお迎え、食事、歯磨き、風呂、
寝かしつけを一人ですることことがありますが、
子どもとの時間を優先したいので、食器は毎回
紙皿、紙コップです。
今は地球よりも家族に優しくしたい、と思っています。
夫は洗濯、週末の掃除機、料理、歯磨き、風呂、寝かしつけまで行います。
子どもは父母2人がそれぞれ出来るとわかっています。
書籍「家事のやりすぎが日本を滅ぼす」は参考になります。
シンガポールや香港は外食が主ですが、子どもの学力も
自己肯定感も日本より高いです。寿命も。
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