84歳母が胃のピロリ菌除去後、下咽頭がんに
84歳の母について相談です。3年前、胃の内視鏡検査をしてピロリ菌が見つかり、除菌しました。その後、2年前に下咽頭がんがわかり、大学病院で手術し、月1回通院して経過観察中です。昨年11月に受けた胃の内視鏡検査で、過形成ポリープが1個大きくなっていたため生検したところ、ピロリ菌が出てきました。
医師によると、高齢なので除菌したら逆流性食道炎になるかもしれないとのことで再度の除菌はせず、過形成ポリープの切除もしませんでした。再除菌や過形成ポリープの切除をしなくても大丈夫でしょうか。
また、ピロリ菌の除去と下咽頭がんに関連性はあるのでしょうか。母は最近、胃の痛みを訴えています。54歳の時、胃のポリープを4個ほど切除したことがありますが、母は糖尿病もなく、血圧の薬も飲んでいませんし、緑内障があって目薬をさしているくらいです。(54歳女性)
下咽頭がん ピロリ菌感染・除菌とは無関係
過形成ポリープは、ヘリコバクタピロリ菌の感染による萎縮性胃炎を背景とするポリープです。がん化することもありますが、比較的まれであり、腹痛の原因となることもほとんどありません。
ご高齢であることから、除菌よりも、1年に1度の内視鏡検査で経過をみていくことをおすすめします。経過の中で2cm以上に大きくなったり、粘膜の模様や形がいびつになったりした場合には、がん化の可能性を考えて切除します。
胃(みぞおち)の痛みが続くようであれば、胃以外の痛みの原因も考えられるため、腹部エコーなどの検査を受けてください。下咽頭がんと、ピロリ菌感染やピロリ菌除去には、関係がありません。(日本専門医機構協力)