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Dr .ヒラの「知って安心 市販薬の話」

医療・健康・介護のコラム

薬を飲んだら吐いてしまった! 胃や腸を荒らす成分に注意

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下痢の時は水と電解質を上手に補給することが大事

 下痢は、その中身のほとんどが水ですが、ナトリウム(塩に含まれる)やカリウム(フルーツや野菜に含まれる)などの電解質も多く含まれています。ひどいときは、大量の水と電解質が一気に出ていきます。そのため、水と電解質を補うことが大事になります。飲食すると下痢がひどくなると考えて、あえて飲食を控える方がいますが、脱水の程度がひどくなる一方ですので、上手に水・電解質を補給するようにしたいところです(市販されている経口補水液なども役立ちます)。

飲食を妨げないように、イブプロフェンなど胃腸を荒らす成分に注意

 吐き気や嘔吐は、脱水にとっては特別な意味があります。不足した水・電解質は、口からの飲食で補うことができますが、吐き気や嘔吐があると飲食が十分にできません。そのため、吐き気や嘔吐を極力避けるため、イブプロフェンのような胃腸を荒らすことのある薬は出来るだけ服用しないようにする、というわけです。イブプロフェン以外にも、同様の副作用のある成分は多くあります。突然の体調不良であっても、市販薬を使う前には、「薬剤師か登録販売者に相談すること」「服用前に添付文書をよく読むこと」を思い出していただき、より安全に対応するように心がけましょう。

 水・電解質を口からまともにとれない場合は、少しずつ何回にも分けて飲んで、脱水を防ぐように努めることで対応できる場合もありますが、それでもなお嘔吐を繰り返す場合は、早めに医療機関を受診する必要も出てきます。

かぜの時も脱水に注意

 脱水症は誰にでも生じうる日常的な症状です。下痢や嘔吐した時だけでなく、かぜをひいた時にも注意が必要です。例えば、かぜで発熱し、38度以上の体温になったとします。発熱すると、体温の上昇に伴い、体の表面から蒸発して逃げていく水分量が増えます。また、発熱すると、食欲がなくなることが多く、普段より少ない量の食べ物しか食べられなくなる場合もあります。普段は、食べ物からも多くの水分をとっているのですが、それが減ってしまいます。普段と同じくらい水を飲んでいても、食べ物の量が減ったら、普段よりも水分の摂取量が少なくなってしまいます。そのため、かぜで発熱した場合も脱水しやすくなります。

 また、心臓や肝臓、腎臓の病気など全身にむくみが出やすい病気のある方は、水・電解質を補う量を個々の状況によって慎重に加減する必要も出てきます。それらの病気がある場合は、早めに医療機関を受診することが必要です。(医師 平 憲二)

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dr.hira-prof150

平 憲二(ひら けんじ)
 1966年、宮崎県生まれ。総合内科専門医。株式会社プラメドプラス代表取締役。91年、宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)卒。2001年、京都大学大学院医学研究科博士課程内科系専攻修了(臨床疫学)。03年、京都大学病院総合診療科助手。05年に株式会社プラメド、13年に同プラメドプラス設立。著書に「クスリ早見帖ブック 市販薬354」(南山堂)、「クスリ早見帖副読本 医師が教える市販薬の選び方」(PHP研究所)、「クスリ早見帖ポッケ かぜ・解熱鎮痛・咳止め・鼻炎の市販薬」(大垣書店)。

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1件 のコメント

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症状の原因に合わせた対策と適切な受診

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

熱が上がれば解熱剤は間違いではありませんが、間違いのこともあります。 薬局で簡単に買えるようになった今、解熱剤や鎮痛剤との付き合い方やその他の対...

熱が上がれば解熱剤は間違いではありませんが、間違いのこともあります。
薬局で簡単に買えるようになった今、解熱剤や鎮痛剤との付き合い方やその他の対策との兼ね合いも一般の方々に知られるべきです。

NSAIDsのライ症候群のリスクや肝腎毒性、胃炎のための胃薬の併用、一部抗菌薬との相性の悪さなど、簡単に手に入るようになっただけに、大事にしてほしいモノです。

また、薬物濃度により効能が変わるクスリと、一定濃度以上で効能があまり変わらない薬もあります。
軽微な症状で病院に行ってられない状況も想定されますが、その辺のさじ加減もよく知って、特に0-6時の深夜帯でのコンビニ受診を減らしてもらえればと思います。

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