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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

コラム

宇宙に行くと、視神経乳頭が腫れる

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宇宙に行くと視神経乳頭が腫れる

 米宇宙企業が開発した有人型宇宙船「クルードラゴン」の無人打ち上げが今月成功し、この夏にも飛行士を乗せた打ち上げが検討されているそうです。民間人の宇宙旅行も現実味を帯びて報道されるようになっています。

 そんな中、先日、神経眼科の勉強会で、「宇宙飛行に関連する神経眼症候群(SANS)」という言葉を聞いたので調べてみました。まだまだ謎の多い症状ですが、米航空宇宙局(NASA)のブランステッター医師の昨年4月の発表にたどり着きました。

 宇宙飛行士が宇宙から帰還した時点で目に関する調査をすると、たとえば、両目の視神経乳頭(視神経の始まる部分)が腫れていたのは、検査した68人中10人、丸い眼球の一部が 扁平(へんぺい) 化したり、脈絡膜(眼球の一番外側の膜と網膜の間にある膜)にしわが寄っていたのが53人中12人だったことが明らかになっています。他にも眼底に綿花様白斑(微小な毛細血管の途絶が原因)や出血点がみられた例もあったようです。

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201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任し、15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人---心療眼科医が本音で伝える患者学」、「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因」(集英社)、医療小説「茅花流しの診療所」(青志社)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半には講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

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