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コラム

『医学研究・臨床試験の倫理 わが国の事例に学ぶ』 井上悠輔、一家綱邦編著

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『医学研究・臨床試験の倫理 わが国の事例に学ぶ』 井上悠輔、一家綱邦編著

 現在の医療は、過去に行われてきた数々の医学研究の上に成り立っている。だが、そこに潜む陰の歴史はあまり知られていない。

 医療の急速な発展に伴って研究倫理の重要性が増す中、大学や医療機関などの研究者20人が、過去に問題となった15の医学研究を調査。裁判記録を含む膨大な収集資料をひもとき、新たな視点で問題を捉え直した。

 身寄りのない乳児らに大腸菌を服用させたり、精神疾患患者にツツガムシ病を感染させたりした戦後間もない頃の研究から、STAP細胞の論文不正など最近の問題までを網羅的に紹介。事案ごとに概要や論点、教訓などに分けて解説した。

 「医学発展のためには、多少の犠牲はやむを得ない」という、研究者が陥りがちな心の動きが、全編から浮かび上がってくる。主に医療関係者向けだが、一般教養書としても興味深い。

 (日本評論社 3500円税別)

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ヨミドクター編集室が注目する新刊書を紹介します。医療、健康、介護、福祉関連の書籍を幅広く取り上げていきます。

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