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シンガー・ソングライター 水越けいこさん

一病息災

[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(1)初めて抱っこ「絶対守る」

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[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(1)初めて抱っこ「絶対守る」

 シンガー・ソングライターとして充実した活動を続けていた1992年、38歳で念願の子どもを授かった。結婚して6年、男の子の誕生に、ミュージシャンだった夫と共に喜んだ。

 だが、出産の翌日、医師から思いがけないことを告げられた。

 「息子さんはダウン症です」

 頭の中が真っ白になり、体がブルブル震えてきた。「抱っこしてあげるように」と医師に促されても、ショックで触れることさえできなかった。

 「最悪の母親でした。その日のことを思い返すと、本当に情けなくなります。今でも後悔しています」と目を伏せる。

 戸惑いと恐れ――。

 心の整理はつかなかった。そんな気持ちが大きく変わったのは2日後。入院していた部屋に、看護師が赤ちゃんを連れてきてくれたときだった。「とにかく抱っこしてみてください」と言われ、恐る恐る胸に抱いてみた。びっくりするほど、我が子の体は温かかった。

 腕の中に新しい命がある。何かが目覚めた。

 「私の元に生まれてきてくれた命。絶対に守る」

 だが、予期せぬ事態は続いた。

 生まれたばかりの我が子には重大なアレルギーがあった。しかも、アレルギー源は赤ちゃんの成長に不可欠なミルクだった。

  シンガー・ソングライター 水越けいこさん(65)

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