お知らせ・イベント
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[医療ルネサンス神奈川フォーラム「健康寿命を延ばす」](中)病気や悩み 地域で支え合う
横浜相原病院長 吉田勝明さん
飯島さんの基調講演で筋肉の話が出ました。では頭や脳はどうか。こちらも使わないと 萎縮 していくんです。認知症の人の脳をMRI(磁気共鳴画像)で見ると、小さくなっている。筋肉も脳も使ってください。
シニアに必要なのは「キョウイク」と「キョウヨウ」。教育と教養でなく「今日行く所がある」「今日用がある」です。何時に起きてもいいや、何も食べなくてもいい、ではだめです。
認知症の診断をして、患者や家族に説明する時、患者と接する頻度の少ない人に一番前で話を聞いてもらいます。最も接する人の苦労を理解してほしいから。長男のお嫁さんでなく、家族だけでもなく、みんなで努力するんだと考えてほしいからです。
米ペンシルベニア州にイタリア移民が集まった村がありました。心疾患での死亡率が全米や欧州より大幅に低かった。名医がいるわけでも、食習慣が違うわけでもないが、移民同士で何でも相談できる連帯感が強かった。これが安心感を与えて病気の発症を抑えていたのでしょう。数十年たつと、住民の出入りもあって連帯が崩れ、死亡率も全米並みになったそうです。
日本人もかつて、隣近所との付き合いがありました。何かあったら相談できる、助けてもらえる気持ちが一番大事です。色々な病気や悩みがあっても、一人で抱えない、家族だけで抱えない、地域で見ていくということを強調したいと思います。
◇よしだ・かつあき 福岡県生まれ。金沢医科大学卒。上尾中央総合病院(埼玉県)などを経て、1993年に横浜相原病院を開設し、病院長に就任。神奈川県病院協会副会長も務める。62歳。
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