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40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる

医療・健康・介護のコラム

人生最後の「お金の貯め時」を逃さない「エア老後」のすすめ

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 厚生労働省が発表した2019年度の厚生年金支給額は、22万1,504円(標準的な夫婦の場合)でした。4年ぶりのプラス改定です。そんな明るい!?ニュースを受けて、今回は40代のうちから老後の暮らしをイメージする「エア老後」についてお話ししましょう。

人生最後の「お金の貯め時」を逃さない「エア老後」のすすめ

お金の貯め時は、人生で2回ある

 突然ですが、お金に「 () め時」があるのは、ご存知ですか? それは、「子どもが10歳になるまで」と「子どもが社会人になってから定年まで」の2回です。お子さんがいる40代なら、「10歳まで」というフレーズに、ズシリと重みを感じるのではないでしょうか?

 では、貯め時の第2の波、「子どもが社会人になってから定年まで」を、無駄に過ごさないためには、どうしたら良いのでしょう? キーワードは、教育費です。

 下の図のように、教育費は人生の三大資金のひとつ。「子どもが10歳まで」と「子どもが社会人になってから定年まで」は教育費負担が軽い(もしくは「ない」)時期なので、お金が貯まりやすいのです。

人生最後の「お金の貯め時」を逃さない「エア老後」のすすめ

楢戸ひかる「お金のリビング」資料

 私は、子どもが10歳を過ぎたら、教育費は別枠で考えることを提案しています。教育費とは、子どもがいることでかかるお金の全てです。すぐに思い浮かぶのは、学費や塾代、習い事代あたりですが、これ以外にも、細かなお金がかかります。

 たとえば、衣類代や靴代。部活に必要なグッズ代や遠征費。塾代以外にも模試費用や参考書代といった教材費、ママ友との交際費もバカになりません。私は、家計管理上、こういったお金は「教育費クッション口座」として、家計費とは別枠で一覧表(下)にしています。

人生最後の「お金の貯め時」を逃さない「エア老後」のすすめ

教育費を別枠にすると「老後」が見えてくる

 家計は、下の図のように「インフラ」「コスト」「クッション」の「三つの柱」にわけて考えると、お金の流れを把握しやすくなります。「インフラ」は家計簿で管理しなくとも、年間の一覧表を作れば大丈夫。家計簿で管理するのは、日々の生活支出である「コスト」と、それ以外の特別支出に相当するのが「クッション」です。私は、教育費を、このクッションの一部と考え、それを賄う資金については、「クッション口座」を設けて管理しています。

人生最後の「お金の貯め時」を逃さない「エア老後」のすすめ

楢戸ひかる「お金のリビング」資料

 こうして教育費を家計から「摘出」することで、見えてくることがあります。それは、教育費以外の生活費がどれくらいかかっているかです。これが、子どもが独立した後の「老後の生活費の目安」となります。

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

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