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堀ちえみさんも苦悩 「がんを子供にどう伝えるか」

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 舌がんを公表したタレントの堀ちえみさんは、がんの診断を受けた後、それを「子供にどう伝えるか」に悩んだと自身のブログにつづっている。がんが見つかった親は、子供とどう対話していけばいいのだろうか。

子供たちには「伏せた方がいいのか…」と

  「子供たちに隠さないで、きちんと説明をした方がいいのか。 (がん) だという事は伏せた方がいいのか」。堀さんは19日に更新したブログで、がんのことを子供に伝えるかどうか、夫と話し合ったことを明かしている。主治医から「治療に長い期間が掛かる場合もある。家族の理解、サポートが必要」などと背中を押され、子供に「ありのままの状況を話す」選択をしたという。

堀ちえみさんも苦悩 「がんを子供にどう伝えるか」

親子のコミュニケーションの重要性を語る大沢さん。「普段の会話では、がんのことばかりにならないように心掛けることも大切」だという

 がん患者と子供を支援するNPO法人「Hope Tree」代表理事、大沢かおりさんは、「がんについて子供に伝えたほうがいい。子供は正確な情報を受け取れば、安心できる」と話す。医療ソーシャルワーカーを務める東京共済病院で、大沢さんは、「(親が)がんについて話してくれて、ほっとした」という子供の声をよく耳にする。

 堀さんもブログで、子供の一人が「正直に話してくれてありがとう」と感謝していたことをつづっている。

 がんの事実を隠しても、親と親戚の会話を聞くなどして、多くの子供は異変を感じ取っている。そして、気を使って知らないふりをする。「親が死んでしまう」という不安を抱えたまま過ごす子供もいるという。

「発病は誰のせいでもない」と伝える

  大沢さんは「子供が心配事や悲しさを抱え込まないようにするのが大事。秘密をなくせば、家族内のコミュニケーションはスムーズになる」と強調する。そして、がんについて、親が子供に伝えるべき「三つのポイント」を挙げている。 

 まず一つめは、「がん」という病名を伝えることだ。「病気」というあいまいな表現を使うと、子供は、がんがどんな病気なのかを理解できず、漠然とした不安が大きくなる恐れがあるからだ。

 次に、「がんは感染しない」と説明することで、「手をつないでも大丈夫」と言えるようになる。

 三つめは、「発病は誰のせいでもない」と伝えること。子供は、「自分が悪い子だから、お母さんががんになった」などと、自分に結びつけて考えがちなので、誤解を招かないようにする意味がある。

 治療が長引くことを見すえて、想定される治療期間や薬の副作用についても伝えておくのが望ましいと、大沢さんは考えている。「生活への影響がなるべく出ないように、家族に加え、学校、保育園、幼稚園などに相談し、協力を求めるのも大切」

子供に伝えた親は7割強という調査結果も

 がんを抱える親たちを支える患者団体「キャンサーペアレンツ」などが、30~60歳代の会員133人を対象に調査したところ、7割強の97人が、子供にがんであることを告げていた。84人は「伝えて良かった」と答えた。入院時に留守番や家事を積極的にやってくれる、親が怒ることが減り一緒に出かけることが増えた、などの声も寄せられた。

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長女に誕生日を祝ってもらう西口さん(2017年撮影、西口さん提供)

 代表理事の西口洋平さん(39)自身は、4年前に胆管がんと診断されたが、当時小学1年生だった長女に伝えられずにいた。どう話したらいいか分からなかったからだ。

 約半年後、妻を通じて知った長女は、西口さんの入院時に手紙で応援のメッセージを寄せてくれたり、図書館でがんに関する本を借りて勉強したりするようになった。西口さんは「長女なりに考えて、親の役に立とうとしている。伝えてよかった」と感じている。

 キャンサーペアレンツは、会員同士がウェブ上で意見交換できる仕組みを作り、定期的に会合も開いている。子供へのがんの伝え方についても、議論のテーマになるという。(米山粛彦 医療ネットワーク事務局)

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