がん患者団体のリレー活動報告
医療・健康・介護のコラム
一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク(Rare Cancers Japan-RCJ)

活動報告
小児がんを含む希少がんは、疾病ごとの患者数は少ないものの、全体を合わせると全がん人口の2割とも言われています。患者が少ないため、これまで研究が進まず、がん死亡の35%を希少がんが占めているという報告もあります。現在、日本を始め世界では、遺伝子解析による個別化医療が急速に推進されています。疾病別という概念にとらわれない、遺伝子変異をもとにした医療の到来を好機ととらえ、遅れている希少がんの治療開発の状況をいち早く向上させるとともに、患者・家族の生活の質を改善することを目標に掲げて、2017年8月、希少がん患者団体が集まり、日本希少がん患者会ネットワーク(RCJ)を立ち上げました。2018年2月には一般社団法人化し、現在16団体と個人の方々が参加しています。
活動内容は以下の通りです。
1. 政策提言活動 を通した希少がんの患者と家族の医療や生活の質向上に係る課題解決
2. 関連学会および関連団体との連携、協働 を通じて、先進医療の導入を促進し、希少がんの医療アウトカムと患者家族の生活の質の向上に寄与し、臨床研究などへの患者参画を積極的に推進
3.希少がん患者家族が必要としている 情報公開を推進 することで、孤立しがちな個々の希少がん患者が前向きに治療と向き合えるよう支援
4. 国内、海外の希少がん患者団体との連携 を通して、希少がんの世界標準治療、臨床試験などについての情報を交換し、海外の成功事例から学び、希少がん医療の向上にむけた活動を推進
5. アンケート等から会員共通の課題を把握し、会員相互の交流や情報交換、セミナー等を開催
2018年8月には、国立研究開発法人国立がん研究センターと MASTER KEY Project(希少がんの研究開発、ゲノム医療を産官学患で推進するプロジェクト) について連携協定を結び、広報などを通じて希少がんの研究推進に協力しています。同年10月には第56回日本 癌 治療学会学術集会において、3学会(日本癌学会、日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会)ジョイントシンポジウム「国際希少がんシンポジウム2018」に参画し、希少がんの課題や現状を産官学患者で共有しました。11月にはESMO(欧州臨床腫瘍学会)Asiaに参加し、Rare Cancers Asia(アジアでの希少がんに関する産官学患連携)の設立について話し合いました。12月には、正力厚生会主催「がん医療フォーラム2018」に出席し、希少がんの実情を訴えさせていただきました。同じ月に、(社)全国がん患者団体連合会と共催の「がん患者学会2018」にて、希少がん患者のアンケート(2018年6~8月実施、16団体524回答)の内容発表などを行いました。
昨年は、産官学患者での希少がんに関する課題の共有の年となりましたが、本年は、学会への参画、海外での希少がん団体との交流、欧州の学会への参加などを通して、課題をいかにして克服していくかを話し合い、希少がんの患者、家族、遺族にとってよりよい状況への具体的な方策を一つでも実現していきたいと考えています。
一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク(Rare Cancers Japan-RCJ)
2017年8月設立。2018年2月、一般社団法人化。小児、成人の希少がんの患者会16団体が参加。それぞれ患者会活動を長年行ってきた経験生かし、患者中心の医療を目標として、産官学患ネットワークの構築、患者・家族への正確な情報提供、国際標準治療へのアクセスなどを実現するため「ネットワークの力」を発揮、希少がん患者と家族が尊厳をもって安心して暮らせる社会の構築を目指しています。
希少ながんは種類が多く、患者会のない疾病も多くあるため、団体でなく個人の方も正会員としてご参加いただき、情報共有や活動を一緒に行っていくこととしています。
ホームページ https://www.rarecancersjapan.org/
このコーナーでは、公益財団法人正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。
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