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新型出生前検査、実施条件を緩和へ…日産婦倫理委が拡大を了承

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 妊婦の血液で胎児に染色体の病気の可能性があるかどうかを調べる新型出生前検査(NIPT)について、日本産科婦人科学会は実施できる認定施設を拡大する新たな指針案をまとめ、12日の倫理委員会でおおむね了承した。早ければ3月の理事会で正式決定する。

 結果によって人工妊娠中絶につながる可能性があるため、現行指針は、臨床遺伝専門医の資格を持つ産婦人科医か小児科医がいるなどカウンセリング体制が整った大病院に絞っていた。しかし、新指針案では、出産を扱う医療機関なら、遺伝の専門家がいない産婦人科医1人の診療所でも、学会が指定する研修を受ければ実施できるよう条件を緩和した。

 新型検査では、ダウン症など3種類の病気を調べる。2013年4月に始まり、認定を受けた大学病院など36都道府県の92医療機関(18年7月現在)が実施している。

 約5年半で、少なくとも約6万5000人が検査を受けた。病気が確定した約900人のうち9割は中絶を選んだ。

          ◇

【新型出生前検査】  対象は、高齢妊婦や、過去に染色体の病気のある子どもを妊娠したことがある妊婦らに限られる。陰性の場合は99%の確率で病気はない。陽性ならば、確定診断のため、羊水検査などを受ける。

カウンセリング、十分か…体制に課題

 新型出生前検査の開始当初から議論が続いていた実施施設の拡大が事実上決まった。「安易に検査を受けてしまうケースが増えかねない」として慎重だった従来の方針を大幅に転換した。

 見直しの背景には、産婦人科や小児科ではない専門外の医師が、丁寧な説明をせずに検査を行う認定外施設の広がりに歯止めをかける狙いがあるという。

 ただ、条件の緩和によって新たに認定される施設で、検査の限界や病気に対する正しい理解につなげるカウンセリングが十分行われるか疑問が残る。議論の過程でも、小児科医や遺伝、倫理の専門家からは、「施設数の増加ありきだ」などの批判が出た。

 実施する医療機関の認定は、妊婦の安心材料にならなければ意味がない。適切に実施できない医療機関にお墨付きを与える結果になってはならない。

(医療部 鈴木希)

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