40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
時代は「長期入院」から「通院治療」へ 新しい「がん保険」の選び方
ハンデがあっても現役で お金の悩みは…
「今後、働きながら、がんと闘病する人は急増します」と、中川先生は言います。では、がんとともに社会生活を送る人たちは、お金の面で何に悩んでいるのでしょうか?
がんサバイバーでファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さんは、がん患者さんの「がんとお金」の悩みは、大きく分けて三つあると教えてくれました。下の表をご覧ください。
黒田さんのお話の中で、私が一番心に残ったのは、病気によって様々な経済的な困難や制約を抱えた方の多くが、「『いくら稼げばキャッシュフローは回りますか?』という質問をされます」という部分です。それに対し、黒田さんは、「まずは病気になった後の家計を見直し、収入の減少に対応できるよう、家計のスリム化を考えるのが先決」と、アドバイスするそうです。
この視点は、老後まで続くライフプランを考える上でも参考になります。「自分の人生を生きるために最低限のお金さえ、稼ければよい」と考えられるようになると、グッと気持ちが楽になります。いたずらに「稼ぐこと」にとらわれたり、他人と比較したりするのではなく、「自分が生きること」にフォーカスできるようになるからです。
人生100年時代、何らかのハンデを持ちながら「現役」として生きていく人は、今後、増えていくことでしょう。がん患者さんの生き方から学ばせていただくことは、多いのかもしれません。(楢戸ひかる マネーライター)
イラスト:西島秀慎
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