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認知症、腸内細菌の構成が影響か…国立長寿医療研究センターなど発表
認知症と腸内細菌の構成が強く関連しているとする研究結果を、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などのチームが発表した。論文は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
チームは2016年3月~17年3月、同センターのもの忘れ外来を受診した認知症患者34人(74~82歳)と、認知症でない94人(68~80歳)の便に含まれる細菌の種類を比較した。
その結果、腸にすみついているバクテロイデスという細菌は、認知症でない人の45%から検出されたのに対し、認知症患者からは15%にとどまるなど、両者の腸内細菌の構成は大きく異なることが分かった。
腸内には数百から1000種類の細菌が生息しているとされ、年齢や食事などで構成は変化するという。腸内細菌の状態によって、認知症のリスクを高める可能性があることが、今回の研究で示されたとしている。
同センターのもの忘れセンター副センター長・佐治直樹さんは「食事で腸内細菌の構成を整えることで、認知症を抑えられるようになることも考えられる」と話しており、認知症と腸内細菌の関係をさらに調べるとしている。
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