Dr.えんどこの「皮膚とココロにやさしい話」
医療・健康・介護のコラム
アトピーで体中にかき傷あるのに「かいていません」 でも、ここを見れば一目瞭然
こんにちは。皮膚科医の遠藤幸紀と申します。
この連載では、私たち皮膚科医が日常診療でたくさん出会う疾患から、めったにお目にかからないような珍しい疾患まで、診察室を通して私自身が患者さんから学んだことや感じたことを中心にご紹介していきたいと思います。ちなみに「えんどこ」というのは、私が皮膚科医になりたての頃、職場の同僚につけられたあだ名です。今はあまり呼ばれなくなりましたが、個人的に愛着がありまして名乗ることにしました(笑)。どうぞよろしくお願いします。
薬で抑えられないかゆみも
今回は1回目ということで、誰もが耳にしたことのある皮膚疾患「アトピー性皮膚炎」のお話をします。皆さんは、アトピー性皮膚炎と聞いてどんなことを思い浮かべますか? お肌が乾燥している、湿疹が全身に広くみられている、とにかく、かゆくてたまらない……などではないでしょうか。
アトピー性皮膚炎の治療の軸となるのは塗り薬です。ただ、それだけではなかなか、かゆみは治まってくれません。塗り薬のほかに、かゆみ止めの飲み薬を飲んで、かゆみを少しでも軽くしようと様々な工夫がなされるのですが、残念なことに、発疹が良くなってきても、かゆみがどうしてもおさまらない患者さんもいます。
「お風呂に入ると、お湯がかき傷にしみて痛い」
そういう方は引っかき傷が体じゅうに見られり、「お風呂に入ると、お湯がかき傷にしみてとても痛い」とおっしゃいます。また「長湯をしちゃうと体が温まってしまって、余計にかゆくなるから大変だ」とおっしゃる方もいます。かゆいのって本当に大変です。
でも、かゆいところをかいている時って、なぜか気持ちよくないですか? 私も虫刺されなどでかゆくなった時に、気づいたら結構かいてしまっているのですが、これがどうにも気持ちいい。ある意味で快感に近いかも……不思議ですね(笑)。
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乾癬性関節炎の疑いで今、治療していただいています。
インフルエンザ罹患、激しい痛みに始まり、調べても何も出ず、いわゆる、ドクターショッピングをして、たどり着いた皮膚科の先生に助けていただきました。それまで、いい先生、相性のあるなしについては、かなり、悩みました。介護を通じて、親の主治医との関わりで、学んだことも、勘違いしていた事も知ることが出来ました。雲の上の賢い方なので、こんなに難しいなのだという事を、まだ、解明されていない事が沢山あることを、知らなかったのです。
体の不調の適切な言葉の使い方や、痛みの表現で、患者も努力が必要な事を、いろんな先生方に教えて頂いたと思います。このような記事が読めると、患者側としても、とてもありがたく思います。
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