認知症介護あるある~岡崎家の場合~
医療・健康・介護のコラム
まるで夫婦漫才?! お互いを「ボケ」扱いの父と母
「認知症」と本人に言ったら怒られる?
認知症の進んだおばあちゃんに「まったく、おばあちゃんはボケちゃって」と言ったら、「私は、まだ、ボケてなんかいないわよ!」と怒られた――というのはよく聞く話ですが、コレ、我が家でも「認知症介護あるある」なのです。普段の会話の中で、母さんが「まったく、認知症の父さんには困ったもんだよ!」と言えば、父さんは「何を言っているんだ、オレは認知症なんかじゃない!」と言い返したりしています。
父さんは若年性認知症だったこともあり、かなり以前から主治医により、告知というかたちで「認知症」だということは伝えられています。以前の記事にも書きましたが、自身も物忘れなどの症状に気づいて苦しんでいる様子があったり、私たちも思いがけず、認知症という事実を本人に改めて確認させてしまうこともありました。
サラリと言う母、割り切れない父と娘
父さんは、20年前に認知症になるきっかけとなった脳出血を起こす以前のことは、今でもかなり覚えている一方で、それ以降のできごとは思い出せない場合が多く、症状の表れ方にムラがある「まだらボケ」の状態も年々、激しくなっています。
そのことに自分でも、「やっぱり認知症なのか……」「いや、昔のことは覚えているから違う」と、戸惑い続けている様子です。私も、最近のことは話がかみ合わなくても、私が子どものころのことはスムーズに会話ができたりするので「父さんは認知症なんだよ」と、ズバッと言い切れない葛藤があります。
父さんの下の世話がうまくいかないときなどには、忍耐力が限界に達して感情的になり、「なんで認知症になんてなっちゃったのよ!」と爆発してしまう(そして、後で猛烈に反省する)こともありますが、母さんのように普段の会話で「父さんは認知症なのよ」とサラリと言える境地には、まだまだ達していません。年末に父さんが初めての病院で受診した際にも、私から医師に「認知症なんです」と言い出せなかったのは、前回のコラムに記した通りです。
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