認知症介護あるある~岡崎家の場合~
介護・シニア
まるで夫婦漫才?! お互いを「ボケ」扱いの父と母
そして戦いはお決まりの展開へ…
そして、この両親の「認知症」をネタ(?)にしたやりとりは、いつも同じパターンだったりもするのです。
父さんが「オレは認知症なんかじゃない!」と言えば、母さんは、「何言ってんの、認知症でしょう!」とお決まりの返しです。すると父さんも負けずに「何度も同じことばかり言う、お前の方が認知症だろ!」と応戦。「ボケにボケって言われたくないねー」と、母さんにしか言えないキョーレツなツッコミに、父さんは「なにーっ、こっちも同じだよ!」。
……まるで夫婦漫才です。私はそばで聞いてヒヤヒヤしながらも、お互いに言いたいことを言い合っている光景に、つい笑ってしまうのです。
言い争いも会話のうち? ケンカしなくなったら危険信号
そんなキョーレツな言葉の応酬を繰り広げる両親のことを、介護者の支援をしている方に話すと、「それができているうちは、まだ大丈夫ですよ」と言われました。人にもよりますが、そうやって言いたいことを言い合っているうちは、介護する人と介護されている人が上手にストレスを発散できているのだということでした。
その分析に私は思わず「なるほど!」と、うなってしまいました。確かに母さんが父さんの世話に疲れきっているときは、「話すこともくたびれる」と、黙々と介護をしています。
「気持ちに余裕があるからこそ、認知症をネタに会話ができているのかもしれません」。私がそう言うと、その方は「ご両親がケンカをしなくなったら、在宅介護は難しいかもしれませんね」と、付け加えました。
母さんの接し方がいいのか悪いのか、正解はわかりません。介護する人、介護される人のキャラクターやそれまでの家族の関係性などいろいろなことがあるでしょう。ですが、我が家の場合は、両親が「認知症」をネタにケンカができなくなったら、要注意ということだけは覚えておこうと思います。(岡崎杏里 ライター)
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