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漫画家  藤子不二雄(A)さん

一病息災

[漫画家 藤子不二雄(A)さん]大腸がんと心不全(4)闘わず 病と共に生きる

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[漫画家 藤子不二雄(A)さん]大腸がんと心不全(4)闘わず 病と共に生きる

 心臓弁膜症の手術は、心臓病治療の実績が豊富な東京都内の別の病院で受けた。万一に備えて、2007年から月刊誌に連載していたコミックエッセーも終了した。

 17年8月下旬に臨んだ手術。僧帽弁の傷んだ部分を切ったり縫い合わせたりして形を整える。予定の半分ほどの3時間で終わり、約10日後に退院した。「いかに健康が大切か――。体を大事にしようと思いました」

 3か月後、日本循環器学会が始めた心不全予防キャンペーンに、漫画「忍者ハットリくん」が起用された。主人公・ハットリカンゾウの弟・シンゾウになぞらえ、「シンゾウ! 泣かすな!」とPRする。大学病院の主治医にも協力を依頼され、快諾した。

 今は、自宅で缶ビールを1本飲む程度。外食は極力減らした。我慢していたゴルフも週1、2回はゴルフ場に通えるまでになった。不整脈があるので血液をサラサラにする薬を服用しながら、青年漫画誌に年数回、漫画家・西原理恵子さんのイラストを添えたエッセーを連載している。

 80歳前後の4年間に相次いで襲った大病。闘うのでなく、共に生きる。病との関わりも漫画で紹介してきた。「禍福はあざなえる縄のごとし。悪いことの後には良いことがありますよ」。まんが道は続く。

 (文・野村昌玄、写真・萩本朋子、次はエッセイストの安藤和津さんです)

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