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大人の健康を考える「大人び」

コラム

患者力(4) 術後見据え呼吸訓練

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このシリーズでは、元和歌山市医師会長で、田中内科医院(和歌山市)院長の田中章慈さん(71)に聞きます。(米井吾一)
患者力(4) 術後見据え呼吸訓練

 左肺下部がんの疑いで手術の日が決まった後、私が健康管理とともに始めたのが、手術後に備えた呼吸のトレーニングです。

 肺の一部が切除されれば、肺活量は当然低下します。肺から酸素を十分に取り込めないと、合併症を引き起こす恐れもあります。

 医師の勧めで、「インセンティブ・スパイロメトリー」という呼吸練習器具を購入しました。目標とする呼気量までたっぷりと息を吸い込み、しばらく止める。それを10回以上繰り返します。まじめに取り組まなければ、なかなか目標に届きません。手術の日まで、この訓練を1日3セット以上することを自分に課しました。

 さらに、心がけたのは、左肩や左腕のストレッチです。

 左肺の手術時は、右半身を下にした横向きになり、左腕を上げた状態で固定されます。医師からは「同じ姿勢を長く取ることで筋肉の固縮や血流障害が起き、手術後に左肩や左腕の運動に支障が出るかもしれない」と言われました。

 患者の中には「わかりました」の一言で済ませてしまう人もいるかもしれません。でも、もう一歩進んで、そうならないために、何ができるのか考えてみてください。医師に任せず、患者も自分でインターネットや本で調べたり想像したりして出来ることをする。患者が治療に参加するとは、そういうことだと思うのです。

 2018年4月25日、日本赤十字社和歌山医療センターに入院しました。手術は翌日です。夜、ベッドに入った私は、あおむけに寝たまま全身の関節を動かしました。肩、肘、股、足……。これも、手術後の歩行を見据えたイメージトレーニングでした。

【略歴】
田中 章慈(たなか しょうじ)
1973年、和歌山県立医科大学卒。同大学助手を経て、和歌山赤十字病院第二内科副部長。85年、田中内科医院開設。2008年から13年まで、和歌山市医師会会長を務めた。日本臨床内科医会理事。

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