医療大全
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動き出す患者たち(5)新生児検査 家族会が尽力
食べ物を分解して栄養素を取り出す「代謝」の働きが生まれつき悪い代謝異常症。生後すぐの赤ちゃんの足の裏から採った血液を調べて、発症前にこの病気を見つける「タンデムマス法」が普及してきた。「先天性代謝異常症のこどもを守る会」代表の柏木明子さん(46)は、「病気の可能性に気付いてもらうため、発信するのは患者の親である私たちの役目」と話す。
柏木さんの長男(18)は、12万人に1人といわれるメチルマロン酸血症だ。生後4か月で柏木さんの肝臓の一部を移植し、食事療法や服薬を続けながら、現在は特別支援学校に通っている。ホームページに成長記録を公開していたのがきっかけで患者家族が集い、2005年に患者会を設立した。
代謝異常症は、発見が遅れると、脳症や知的障害などを引き起こし、亡くなってしまうこともある。数万~数十万人に1人とまれな病気であるため、見逃されやすい。
一方で、早期に発見できれば、特殊なミルクなどの栄養法や薬で発症を防ぐ治療も可能だ。患者会の活動などを通じてタンデムマス法という検査があることを知った柏木さんは、患者の家族の立場から普及活動に取り組むようになった。
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