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本田秀夫「子どものココロ」

医療・健康・介護のコラム

物をなくす、努力が続かない…は注意欠如・多動症(ADHD)かも 厳しく叱ると「無気力」「反抗」に

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「完全になくそう」は逆効果

 Bくんは、座席を最前列にしてもらい、授業中に気が散らないよう、黒板のまわりに余計な掲示物を貼らないなどの配慮をしてもらいました。また、多少落ち着きがなくても大目に見てもらい、質問に答えさせたり、何か作業をさせたりすることで自然に着席していられるよう工夫をしてもらいました。

 Cさんの場合、担任と保護者が連絡ノートを作り、絶対に忘れては困る連絡事項や提出物についてはそこに確実に書き込み、カバンに入れるところまでしっかり確かめるようにしたところ、忘れ物をある程度減らすことができました。

 ADHDの多動性・衝動性、不注意は、成人期までにある程度は改善しますが、多くの場合、その後も多少は残ります。したがって、子どものうちにこれらの特徴を「完全になくそう」として厳しく注意や叱責を繰り返すと、反抗的な態度が強くなったり、自信をなくして無気力になったりと、二次的な問題が出やすくなります。

 本人の努力を求める前に、生活環境の工夫によってトラブルを起きにくくすることが重要です。6歳以上で、生活環境の工夫だけでは改善しない場合は、薬物療法を行うこともあります。

自信を失わせず、得意なことを伸ばす

 学校教育では、通級指導教室など少人数でじっくり学習などに取り組める場が用意されています。大人数の授業ではどうしても集中できない場合は、そのような場を活用して、本人が自信をなくすのを防ぎ、得意なことを伸ばしていくのも大切です。(本田秀夫 精神科医)

*本文中の事例は、プライバシーに配慮して改変しています。

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本田秀夫(ほんだ・ひでお)

 1964年、大阪府豊中市生まれ。精神科医。信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授。同学部付属病院子どものこころ診療部長。日本自閉症協会理事。著書に「自閉症スペクトラム」など。

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