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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

コラム

駅で切符を買えないお年寄り どう話しかけたらいい?

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 ヨミドクターをご覧のみなさま。サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。今回は認知症についてです。先日、以下のようなご質問がありました。

本人の気持ちが落ち着くように心配りを

駅の自動切符売場で、高齢の男性を見かけましたが、うまく購入できずに慌てた様子でした。話しかけてみると「○○行きを大人2枚、子ども3枚分買いたい」とのこと。いろいろ質問してみましたが、話のつじつまが合いませんし、家族の姿も見えません。どのように応対すればよかったのでしょう。

 こちらの認知症と思われる男性の事例をもとに考えてみましょう。ところで、皆さんは認知症と聞いてどのような印象をお持ちでしょうか。発症すると、どのようになってしまうのでしょうか。

今までできていたことが…強い不安

 認知症は誰もが発症する可能性のある脳の病気で、年を重ねれば重ねるほど、認知症になる可能性が高くなります。

 具体的には、正常に発達してきた脳の機能が低下して、日常生活に支障をきたしている状態を指します。記憶が確かではなくなる記憶障害のほかに、現在の日時や場所が分からなくなる見当識障害、物事の段取りや順序立てができなくなる実行機能障害などが一つ以上表れ、社会生活あるいは職業上に支障をきたし、能力レベルの明らかな低下がみられる状態です。

 記憶の力がおとろえて、ATMがうまく使えなかったり、スーパーマーケットで金銭の受け渡しに戸惑ったり、電車や飛行機の乗り方が分からなくなったとしても、「今までできていたことができなくなっている」ということは、自分自身でもわかります。できないことが少しずつ増えていくので、この先自分はどうなるのであろうと強い不安を抱いています。

 「できない自分」を自分自身で認めるということは、なかなか難しいものです。今までと同じはずの自分なのに、「いつもの道で迷う」「買い物ができない」「電車に乗れない」などということが起こります。この現実を受け入れることはとても難しく、取り乱す人がいても不思議ではないと思いませんか。

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冨樫正義(とがし・まさよし)

 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。日本サッカー協会 施設委員。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。

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