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漫画家  藤子不二雄(A)さん

一病息災

[漫画家 藤子不二雄(A)さん]大腸がんと心不全(3)83歳 手術最後のチャンス

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[漫画家 藤子不二雄(A)さん]大腸がんと心不全(3)83歳 手術最後のチャンス

 大腸がんの手術後、苦労したのは食事制限だった。食物繊維の多い野菜や海藻類や、消化しにくい揚げ物など油の多い食事は当面控えるように指導された。幼い頃から野菜類が中心の食事だった。「春はタケノコ、秋はマツタケが好物だった。本当につらかった」

 やがて、控えていたお酒も少しずつ飲むようになった。

 手術半年後の2013年11月、中華料理店で食事を終えると、おなかに激痛が走った。「腸 閉塞へいそく 」だった。大腸がんの手術後に起こりやすい合併症で、腸の癒着などで便やガスがたまり、出にくくなる。すぐ入院。流れを良くするために鼻から腸まで管を入れ、滞っている消化液を吸い取る治療をした。退院できたのは20日後だった。

 それから1年余り後の15年3月、息苦しさを覚え、大学病院を受診した。診断は心臓弁膜症。左心房と左心室の間にあり、血液の逆流を防ぐ僧帽弁の働きが悪くなっていた。

 傷んだ弁を縫い合わせるなどの外科的手術が必要だが、高齢でもあり、主治医と相談して、血液をサラサラにする薬を服用しながらしばらく様子をみることにした。

 「逃げ切れるかな、とも思っていました」。だが――。17年8月のゴルフコンペで、強烈な 倦怠けんたい 感に襲われた。ハーフで切り上げたが、翌日も復調しない。主治医と相談して手術を決意した。「もう83歳、体力的にも手術は最後のチャンス」と告げられた。

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