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僕、認知症です~丹野智文44歳のノート

もっと知りたい認知症

若年性認知症のドラマ「大恋愛」、夫を忘れた主人公に「自分もいつか…」

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若年性認知症のドラマ「大恋愛」…夫の顔を忘れた主人公に「自分もいつか」

「30代」「2013年春」が共通点

 昨年10~12月にTBS系列で放送されたテレビドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」は、30代の女性医師が若年性アルツハイマー型認知症になるというストーリーが話題になりました。皆さんはご覧になりましたか?

 私も診断当時はまだ30代だったので、この主人公と重ねる人がいたようです。講演の際、来場者から感想を求められることが何度かありました。

 実は、映画やドラマなどは、途中で誰が主人公なのか分からなくなってしまって、物語の筋を追うのが大変なのです。すごく頭が疲れるため、普段はあまりテレビを見ません。

 しかし、このドラマには私も興味があったので、初回から見ていました。冒頭で画面に「2013年5月」という文字が出て、そこから物語が始まるのですが、私自身も同じ年の春に若年性アルツハイマーだと分かったので、偶然の一致にいきなりドキッとさせられました。

私の5年間、ドラマではたった1時間で…

 毎月受診する患者と笑顔で会話を交わした数日後、その人のことを完全に忘れているなど、女性医師の異変を示す場面が序盤から出てきます。そして、認知症の前段階のMCI(軽度認知障害)の可能性があることが分かったところで、第1話が終わるのです。

 車のセールスマンだった私も、認知症と診断されるずっと前から、担当しているお客さんの顔や名前をすっかり忘れてしまうなどの症状がありました。認知症だとは気づかないまま、なんとかミスをせずに仕事をこなそうと必死だった時期が何年も続いたことは、以前のコラムでも書いた通りです。

 ところがドラマでは、そのような時期はあっさりと過ぎ、すぐに病気が見つかっているのです。「俺の5年間を、たった1時間ですませるなんて……」と嘆いていたら、次女には、「ドラマなんだからしょうがないじゃない。回数が決まってるんだから」と一蹴されました。

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丹野智文(たんの・ともふみ)

 おれんじドア実行委員会代表

 1974年、宮城県生まれ。東北学院大学(仙台市)を卒業後、県内のトヨタ系列の自動車販売会社に就職。トップセールスマンとして活躍していた2013年、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。同年、「認知症の人と家族の会宮城県支部」の「若年認知症のつどい『翼』」に参加。14年には、全国の認知症の仲間とともに、国内初の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」を設立した。15年から、認知症の人が、不安を持つ当事者の相談を受ける「おれんじドア」を仙台市内で毎月、開いている。著書に、「丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-」(文芸春秋)。

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