医のねだん
医療・健康・介護のニュース・解説
お薬手帳持参で安くなる?
「個人薬局で処方」など条件
薬局で薬を処方してもらう際に、お薬手帳を持って行くと、支払いが安くなることがあります。
街中にある、いわゆる個人薬局タイプの薬局で、患者が原則6か月以内に再び処方箋を持参した場合が対象です。手帳に薬剤師から処方内容や注意事項を記載してもらって服薬指導を受けると、薬剤費などにプラスされる「薬剤服用歴管理指導料」が、410円(3割負担で約120円)になります。
これに対し、個人薬局などで同じように処方箋を出して服薬指導を受けても、手帳を持っていないと530円(同約160円)になります。門前薬局やチェーン薬局など、「個人薬局など」の条件を満たさない場合は、手帳があってもなくても530円で変わりません。
実は約3年前まで、手帳がない方が、逆に薬局での支払いが安くなる仕組みがありました。このため、今でも「薬局に手帳を持って行くと支払いが増える」と誤解している人もいるようです。
薬局では、手帳があると支払いが高くなることは、今ではなくなりました。ただし、医療機関が自前で薬を出している院内処方では、手帳があると負担が30円(同約10円)増える場合があります。
お薬手帳は、複数の医療機関から薬を処方されている場合に一括して薬剤情報を管理できるほか、患者自身が薬の注意事項などをメモにして記録できる利点があります。
より良い医療のあり方を目指す市民団体「 患医 ねっと」(東京都)代表の鈴木信行さんは、市販のノートでつくった自作のお薬手帳に病院での検査結果なども記録しています。薬局の薬剤師に自分の病状をよく知ってもらい、副作用のチェックなどに役立ててほしいからです。
そのうえで通院の際には、飲み残した薬の数や、医師、薬剤師に伝えたいことなどを書き込んで、渡しているそうです。「残薬の量が分かれば、無駄な処方を減らすことができる。医療者とコミュニケーションを図るための道具として、お薬手帳を活用してほしい」と話しています。
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