医療大全
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情報革命(5)多職種で共有 診療改善
「具合はどうですか」
昨年12月のある日の午後、和歌山県海南市の海南医療センター。入院中の楠見幸子さん(77)の病室を、名誉院長の山田陽一さんが訪れた。
血液のがんの一種、悪性リンパ腫で抗がん剤治療を受けている楠見さんは、入院当初、副作用で食事が取れなくなり苦しんだ。看護師や管理栄養士、主治医らが連絡を取り、食欲がない患者でも食べやすい味付けの濃いメニューに変更したところ、徐々に栄養が取れるようになった。
「おかげさまで調子も良くなりました」と、楠見さん。抗がん剤治療も予定通り続けられそうという。
山田さんは院長だった2年前、病棟の看護師長、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカー、事務職員らと一緒に週1回、全入院患者を回る「多職種回診」を始めた。「情報を共有することで、患者さんの抱える問題にきめ細かく向き合える」と考えたからだ。おかげで今では楠見さんのようなケースも、迅速に対応できるようになったという。
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