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学校の人骨標本、なぜ本物…「事件性ない」でも取り扱い苦慮

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 各地の学校で本物の人骨標本が相次いで見つかっている。今月も宮崎市の学校で新たに見つかり、警察が鑑定中のものも含め、少なくとも鹿児島県や大分県など4県の計10校で確認された。いずれも入手経緯はわかっておらず、学校現場では対応に苦慮している。

 宮崎県立明星視覚支援学校(宮崎市)が保管する標本が人骨だと判明したのは今月8日。頭蓋骨や腕、脚の骨があり、学校側は鑑定した県警から「事件性はない」と説明を受けたという。

 同校には、あん摩マッサージ指圧師などの国家試験受験資格を取得する理療科があり、授業で人体模型を使用している。この人骨は「昭和20年代頃に譲り受けた」と伝えられており、以前は授業で使用していたとみられる。県警によると、正当に入手した標本ならば人骨でも刑法上の問題はないという。別府宗光校長は「今後の取り扱いについては、県教委などと協議する」と話した。

 同様の事例は各地で確認されている。鹿児島県立鶴丸高校(鹿児島市)では2016年7月、教員が生物講義室の標本棚を整理中に頭蓋骨を見つけた。骨は鹿児島市が火葬し、市営墓地に埋葬した。県内ではほかにも高校2校で頭蓋骨が見つかり、うち人骨と判明した1校では美術のデッサン用に使われていた。

 大分県では昨年6月、県立高田高校(豊後高田市)で木箱に入った頭蓋骨が見つかった。豊後高田市は昨年12月、官報で「心当たりのある方は申し出てください」と呼びかけたが、身元につながる情報はなかった。ほかに2校でも頭蓋骨が見つかり、県警が人骨かどうかを鑑定している。

 福井県でも県立高校3校で頭蓋骨が確認された。県警が鑑定を進めるが、「明治時代からあった」と伝えられているものもあった。

 日本大の金沢英作名誉教授(解剖学)によると、約50年前、インドで人骨を使った標本が多く作られ、業者を通じて国内の大学や医療機関などに販売されたという。国内でも70年ほど前まで、解剖実習後に標本にすることが珍しくなかったと話す医療関係者もいる。

 医療教育教材メーカー「京都科学」(京都市)の担当者は「昭和40年代頃までは販売していた」と説明。東京の人体模型メーカーの担当者は「以前は人骨の標本が広く流通していた。標本の処分に困った人から相談され、学校への無償譲渡を仲介したこともある」と証言する。佐賀大の川久保善智助教(解剖学)は「医学教育では死者の尊厳に敬意を払い、標本から学ばせてもらっている。対応に困っても過剰に反応せず、警察に届け出て、医療関係者に相談してほしい」と呼びかけている。

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