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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

コラム

よい睡眠をとる秘けつは「脳温」を下げること 正しい入浴と運動で効果的に

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。今回は、快眠法としてよく知られている入浴と運動を取り上げます。睡眠改善のための正しい運動や入浴法を実践するには、その作用メカニズムを理解することが必要です。

明け方は低く、夕方過ぎが最も高い

 快眠法の一つとして入浴や運動が挙げられているのを、新聞や雑誌で目にした読者の方も多いでしょう。もちろん改善効果はあるのですが、正しい方法で行わなければ効果が十分に得られないばかりか、むしろ逆効果になってしまうこともあるので要注意です。

 効果的な入浴や運動法を実践するには、睡眠に及ぼす作用とメカニズムを知っておきましょう。入浴や運動の効果は「一汗かいてさっぱりする」「リフレッシュする」だけではありません。入浴や運動に共通した作用は「体温を上げる」、より正確には「脳の温度(脳温)を上げる」ことにあります。「体を芯から温める」という表現がありますが、その「芯」は睡眠医学的には「脳」です。

 脳温は、サインカーブ(正弦曲線)のように昼夜で約1度アップダウンします(図)。脳温は 腋窩(えきか) 温(脇の下で測る温度)よりもかなり高めです。最も脳温が低くなるのは目覚める直前の明け方で、成人だと平均して36.5度前後まで低下します。日中に徐々に上昇し、夕方過ぎに最も高い37.5度前後に達します。その後、普段その人が寝ついている時刻の2時間ほど前から再び急激に低下し始めます。

よい睡眠をとる秘けつは「脳温」を下げること 正しい入浴と運動で効果的に

 このような脳温の日内リズムは、このコラムで何度も登場している体内時計の指令で調整されています。脳温と睡眠との間には密接な関係があり、脳温の下降カーブの途中で自然と眠気が急速に強まって、私たちは就寝し眠りに入るのです。しかも、脳温の下降速度が速いと眠りやすく、また入眠後の深い睡眠が増えることが分かっています。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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