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アトピー情報共有アプリ、元患者が開発…症状や薬、匿名で投稿

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アトピー情報共有アプリ、元患者が開発…症状や薬、匿名で投稿

アトピー患者向けアプリについて説明するAkoさん

 アトピー性皮膚炎の元患者が開発した患者向けスマートフォンアプリ「アトピヨ」が注目を集めている。患者が匿名で写真や症状を投稿し、情報を共有。治療経過の「見える化」を図り、孤立しがちな闘病を支えるのが目的だ。アプリは先月、慶応大主催の医療ビジネスコンテストで入賞したのをはじめ各種の賞を受け、広く評価されている。

 アトピヨは米アップルのアイフォーン用無料アプリ。公認会計士のRyotaro Akoさん(仮名・39歳)が薬剤師の妻らの協力を得て開発した。2018年7月に配信を始め、これまでに2600人がダウンロードしたという。

 利用者は、患部の画像と症状のメモ、使った薬を匿名で投稿し、他の会員と共有できる。投稿は部位ごとに、時系列で表示される。

 投稿した患者にとっては自分の治療経過の記録になり、医師への説明にも使える。会員同士で投稿内容が見られ、他の人の経過を参考にすることもできる。

 Akoさん自身も幼児期、アトピーやぜんそくのアレルギー疾患があった。成長後ほぼ治まったが、3年前の苦い経験がアプリ開発のきっかけになった。

 家族旅行で古びた旅館に泊まったとき、上半身が手から顔まで腫れ上がり、息苦しくなって救急車で病院に運ばれた。ハウスダストのアレルギーだった。

 これを機にアレルギーの患者会に入ると、会員の多くがアトピー性皮膚炎で、つらい様子を目の当たりにした。24時間かゆみと隣り合わせ。荒れた肌が人目に触れるのは大きなストレスになる。「症状の悪化で、外出したくてもできない人たちを助けたい」。Akoさんはプログラミングを学び、約10か月かけてアプリを完成させた。

 治療に詳しい京都府立医大の加藤則人教授(皮膚科)は「画像で記録することによって、患者は症状が変化するきっかけや治療の到達度を自覚しやすくなる。医師も受診までの経過を知ることができる」と評価。ただし、「アプリで知った治療法を自己判断で始めるのは避け、医師に相談してほしい」としている。

 Akoさんは、「今後は、オンライン診療での活用や、データの集積による新薬開発などにも役立てたい」と目標を語っている。

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