文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

ニュース・解説

保育施設への改善指導、公表自治体1割に満たず

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
保育施設への改善指導、公表自治体1割に満たず
id=20190108-027-OYTEI50005,rev=2,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 保育施設への検査権限をもつ121自治体のうち、改善を指導した施設名と指導内容を公表している自治体は1割に満たないことが、読売新聞の調査で分かった。改善指導の内容が公表されなかった施設で死亡事故が起きたケースもあり、保護者への情報開示が十分でない実態が明らかになった。

 調査は昨年11~12月、都道府県と政令市、中核市の計121自治体に実施。全自治体が回答した。

 改善指導した施設名と指導内容を公表していると答えたのは、東京都、横浜市など11自治体。その他の自治体は一切非公表または、「施設名を出さず指導内容のみ公表」などとしていた。

 公表しない理由について「人手不足で手が回らない」「保護者の不安をあおる」「施設の運営を妨げかねない」などの意見が目立った。

 愛知県岡崎市の担当者は「保育士研修などの業務の合間に検査に回っている。人手も時間も足らず、とても結果の公表まで手が回らない」と話した。

 国に統一的な公表基準を求める声もあった。内閣府などが2016年に定めた保育施設などの事故防止ガイドラインは、検査結果の公表について「公表している自治体の例を参考に、実情に応じて検討する」という記述にとどめる。担当者は「公表は事故防止につながると考えているが、あくまで各自治体が自ら判断すること」と話す。これに対し青森県の担当者は「公表は保護者の役に立つと思うが、施設からの反発も予想される。全国で同じ公表の基準があれば、施設側にも説明しやすい」と語る。

 児童福祉法などは、自治体が原則年1回以上、保育施設に立ち入り検査を行うよう定めている。検査では資格を持った職員の人数が基準を満たしているか、避難路が確保されているか、などを調べる。しかし、今回調査の対象とした121自治体が17年度中に検査したのは、約3万7000施設のうち68%。「全施設の検査を行っておらず、一部のみの公表は不公平」とする自治体もあった。

 内閣府の集計によると、保育施設では13~17年に計71件の死亡事故が発生している。

 民間調査機関「保育システム研究所」の吉田正幸代表は、「自治体は利用者の視点で保育施設の情報を開示すべきだ。国も公表内容など様式を整備する必要がある」と指摘する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事