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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

コラム

外見への副作用ない緑内障点眼薬登場 使用法など井上眼科病院院長に聞く

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 視神経の異常で視野が狭くなる緑内障。主な治療法は点眼薬で眼圧を下げることですが、参天製薬(大阪府)と宇部興産(東京都)の共同開発で、先ごろ新しい緑内障点眼薬が発売されました。これまでに多くの緑内障点眼薬がありましたが、従来の生理活性物質プロスタグランジン(PG)点眼で問題になっていた外見への副作用がなく、久しぶりに新しい第1選択薬として名乗りを上げました。この薬の位置づけや今後の問題について、日本緑内障学会評議員で、井上眼科病院院長である井上賢治さん(写真)にお話を伺いました。

従来の薬と異なる仕組み 眼圧下げる効果は大きく

若倉  緑内障治療ではこれまで、PG点眼薬が第1選択薬でしたが、こんどのオミデネパグ(商品名エイベリス)はどんな薬ですか。

井上  これもPG点眼薬です。これまでのものは、細胞のFP受容体と呼ばれる場所に結合して作用を発揮していましたが、エイベリスはEP2受容体という別の場所に結合します。角膜と水晶体の間の空間は房水で満たされて眼圧を保持していますが、房水が流出する経路は、「ぶどう膜強膜流出路」と「線維柱帯流出路」の主に2か所あります。これまでのPG点眼薬は、前者の経路からの房水の流出を促進して眼圧を下げていましたが、今度の薬剤はどちらの経路からの流出も促進します。

若倉  なるほど、より効果が期待できるのですね。過去のPG点眼薬の副作用について先生のグループは多くの研究がありますが、エイベリスではどうなるでしょう。

井上  これまでのPG製剤では、まつげが濃くなったり、皮膚に色素が出たり、また「DUES」といって、上まぶたにへこみが生ずる副作用がみられ、美容上の問題点とされていました。私たちの研究では、3か月点眼を続けると20~50%程度に多少なりともこれらの副作用が出てきます。エイベリスでは、こうした副作用がないのが最大のメリットです。

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201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任。15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人 心療眼科医が本音で伝える患者学」、「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因」(集英社)、医療小説「茅花流しの診療所」、「蓮花谷話譚」(以上青志社)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半は講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

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