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障害者の就農推進、政府が指導役育成へ…2019年度に専用の研修施設整備

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障害者の就農推進、政府が指導役育成へ…2019年度に専用の研修施設整備

 政府は、農業の現場に障害者の就労を促す「農福連携」の推進に乗り出す。障害者の指導役となる人材の育成に向け、2019年度に専用の農業研修施設を整備する方針だ。障害者の働く場の確保や収入増につなげるとともに、心身の機能回復を目指す。省庁横断の推進組織も設けて取り組みを加速させる。

 農林水産省が19年度当初予算で10億円を計上し、水戸市の農林水産研修所内に障害者向けの園芸施設を設ける。バリアフリー対応の農業用ハウスや宿泊棟を備え、ミニトマトやリーフレタスなどを栽培する。

 初年度は3人、2年目は10人程度の障害者を雇用する見通し。収穫や包装、設備の洗浄などの作業にあたってもらう。

 施設では都道府県の職員や農業法人、農業協同組合(JA)の職員らを受け入れ、農業の現場で作業指導を行う「ジョブコーチ」を育成する。一定の研修期間を経て、全国各地の農業の現場で障害者の就労を手助けしてもらう考えだ。

 農福連携は、高齢化で担い手が不足する農家と、障害者雇用を促進する福祉分野を結び付け、双方の発展を図ろうとする取り組み。土に触れる作業が心身の健康につながるとの期待から、社会福祉法人が運営する障害者就労支援事業所などが農地を借りて手がけるケースが主流だった。

 一方で、一般の農家や農業生産法人が障害者に働く場を提供する動きは十分に広がっていない。障害者に適した作業が確保できなかったり、事故やけがなどトラブルへの心配がネックとされてきた。

 こうした中、障害者を積極的に雇用する農業法人もある。浜松市の農業法人「京丸園」では、1996年から毎年1人以上の障害者を雇い、89人の従業員のうち障害者が24人(2017年10月)を占める。障害者が働きやすい環境づくりを整備して作業の効率化が進み、売り上げもアップ。17年度の障害者の賃金は月額9万6000円だった。

 政府はこうした先進事例を各地に広げるため、19年中に省庁横断の推進組織を設ける方針だ。農相や厚生労働相など関係閣僚のほか、都道府県知事らがメンバーとなり、農福連携の推進を図る。

 将来的には農業だけでなく林業や水産業、食品産業などにも広げ、生活困窮者らの就労につなげることも視野に入れる。

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