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補聴器普及率14%止まり…欧米に後れ、助成不足が影響か

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補聴器普及率14%止まり…欧米に後れ、助成不足が影響か

 国内の難聴者に対する補聴器の普及率が1割強にとどまり、欧米各国を大きく下回っていることが、国内外のメーカー10社が加盟する日本補聴器工業会の調査でわかった。購入する際に公費助成の対象となる範囲が狭いことなどが影響しているとみられる。

 調査は2018年4~5月、一般市民を対象にインターネットで実施し、難聴者を含む約1万4000人分の回答を得た。聞こえの状態に関する質問のほか、難聴者には補聴器の所有などを尋ねた。普及率は調査結果を基に実際の人口構成などに合わせて推計した。

 その結果、難聴者への補聴器の普及率は14%だった。英国の48%、フランスの41%、ドイツの37%(いずれも18年)より低く、米国の30%(15年)も下回った。補聴器を持つ人に使い心地を聞いたところ、「大変満足」「満足」「やや満足」の合計は38%で、英仏独の74~82%と比べ、満足度の低さも目立った。

 国内では補聴器への公費助成が、会話で不自由を感じる中等度難聴や、小声や騒がしい場所で苦労する軽度難聴では原則対象外となっている。補聴器1台(片耳)は平均約15万円で、負担の大きさから敬遠する人も多い。聴力や生活スタイルに応じて補聴器を調整する専門人材も不足している。

 佐野肇・北里大教授(聴覚療法学)は「補聴器を使わないことでコミュニケーションに苦労し、孤立やうつ状態を招く恐れもある。公費助成の拡大や専門人材の育成などによって、補聴器を適切に使える環境を整えるべきだ」と話している。

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