渡辺専門委員の「しあわせの歯科医療」
医療・健康・介護のコラム
そうだ、歯医者に行こう!
歯周病を治したことのない歯科医!?
もう一つ、歯科医の関心分野の違いという問題もあります。開業の歯科医のほとんどは一般歯科ということで、虫歯から歯周病まで幅広く診療しています。しかし歯科にも専門分野があって、歯周病のほか、かぶせ物や入れ歯を専門にする 補綴 、歯根の治療、 口腔 外科、矯正、予防など開業してからも各分野の学会に参加する歯科医もいます。全般を学んだと言っても、歯周病に強い歯科医もいれば、かっちりとかぶせ物を作ることに意欲的な人もいます。また、ビジネスが最大の関心という歯科医がいるかもしれません。
歯周病でぐらぐらした歯でも、歯科での徹底した掃除でよくなる可能性がありますが、「掃除で回復することを知らなかった」という歯科医を取材したことがあります。そのベテラン歯科医は自分の多くの歯もぐらぐらであきらめていたのですが、縁あって歯周病に強い歯科医にかかったところ徹底した掃除で改善し、身を持って効果を体験したと話していました。この歯科医は自分ではインプラント治療に熱心に取り組んでいました。
歯科医選びは難しい
歯周病が進んでしまった場合、歯茎を切り開いて歯石を掃除する外科治療や組織を再生する治療もあります。そうなると歯科医ならだれでもできるというわけではなく、歯周病治療を専門的に学んだ歯科医でないと難しいようです。
歯周病を治したことのない歯科医から専門治療ができる歯科医まで、様々な歯科医が一様に「○○歯科」とか「○○デンタル」といった看板を掲げているのですから、つくづく歯科医選びは難しい。
和泉さんは「 日本歯周病学会の指導医、専門医、認定医 や 日本臨床歯周病学会の指導医、認定医 なら歯周病の知識や経験があるので一定水準の診断や治療ができるでしょう」と話しています。診療姿勢や自費か保険かという経営方針までは分かりませんが、参考情報の一つになりそうです。
歯周病は万病の元、口臭の原因にもなります。歯科こそ、治療よりもまずは検診を受けておきたいものです。喫煙は歯周病を悪化させるので喫煙者はなおさらです。歯が痛いとか、トラブルが起きた時には歯科医を選ぶ心のゆとりはないので、歯科検診を通して信頼できそうな歯科医を見つけ、かかり付けにしたいものです。検診は時期を選びません。
そうだ、歯医者に行こう!
(読売新聞記者 渡辺勝敏)
3 / 3
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。