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渡辺専門委員の「しあわせの歯科医療」

医療・健康・介護のコラム

そうだ、歯医者に行こう!

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定期的な歯科検診受診者は3割

 定期的に歯科検診を受けている人は、日本歯科医師会が昨年実施した調査では3割という結果でした。習慣になっていない方も相当数にのぼるようです。

 歯周病の症状があれば、検査は保険で受けることができます。目盛りの付いたプローブという器具を歯と歯茎の間に差し入れて、歯茎の出血や歯周ポケットという隙間の深さを測ります。「ちょっとチクチクしますね」と歯科衛生士さんは声をかけてくれます。エックス線写真で歯槽骨という歯を支える骨が溶けていないかも診断します。

 歯周病では、歯周ポケットに細菌がたまって歯茎に炎症を起こし、赤くなり、腫れてきます。放置しておくと、ポケットは深くなり、空気が嫌いな細菌なので歯茎の奥へと進んでいきます。さらに炎症の影響で歯を支えている歯槽骨が溶けて吸収され、歯茎が下がってくるので、その進み具合を検査するわけです。

軽度の歯周病は掃除をすれば治る

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 歯周病は、歯茎に炎症があるだけなら「歯肉炎」、歯を支える歯槽骨が減っていると「歯周炎」と分けています。骨の減り方はエックス線写真を見なくても、歯茎の下がり具合でもわかります。歯槽骨が溶けていて歯周ポケットの深さが4ミリ未満は「軽度歯周炎」、「4~6ミリは中等度」、「6ミリ以上は重度」と分類。国の調査では4ミリ以上のポケットがある人は35歳以上で4割を超えています。

 「歯肉炎や軽度歯周炎は、歯科で歯周ポケット内にたまった歯石をきれいに掃除して、歯磨きやフロスのやり方を改善するだけで治ります」と和泉さん。だからこそ国も歯科検診を受ける人の増加を健康施策の目標に掲げています。

 放置してしまうと、骨が減るのでその上にかぶさった歯茎が下がるため歯が長くなったように見えたり、歯の隙間が広がって食べ物がひっかかりやすくなったりします。歯槽骨の吸収がさらに進むと歯がぐらぐらし、支えられなくなって歯を失います。虫歯と違って、感染が進んでも痛みを感じないので、人呼んで「沈黙の病」。異常を自覚する前に検査を受けて対処しておかないと、歯がもったいないと思いませんか。

リンゴをかじっても血は出ませんが、歯周病検査を受けてみたら…

 歯周病のことは、実は自戒を込めて書いています。筆者もここ何年か歯周病の検査を受けていないことに思い至り、久しぶりに検査を受けて口の状態について歯科医の説明を受けました。

 「上下に3ミリ、4ミリのポケットがありますが、歯石を取って管理をすればよくなります。右上5ミリのところは神経を抜いた後、根の下にできた病変も関係しているので、歯周治療だけでは改善は難しいかもしれません。それから……」

 出るわ出るわ、いろいろと口の中の問題を指摘されました。筆者は、リンゴをかじっても歯磨きでも血は出ませんが、検査をしてみれば歯周病です。

 この後、歯科衛生士さんに歯周ポケット内の歯石をとってもらって、改めて歯磨きやフロスの方法の指導を受けました。少しでも良くしようと思って以前よりお口のケアに時間をかけるようにしています。1か月後に再び歯周病検査を受けると、状態が良くなっているポケットもありました。そんな経験も踏まえて繰り返し言わせてください。最近、歯周病の検査を受けましたか?

歯科医によって説明のニュアンスが違う

 筆者が検査を受けた歯科は、予防で歯を守るメンテナンスを看板にしています。どこで受けても同じような説明や指導になるのだろうかと記者としての関心から、試しに別の歯科で歯周病の検査を受けてみました。検査結果に違いはないはずですが、説明は「歯周病はだいたい大丈夫です」のひと言。おそらく「今のところは」という言葉が省かれているのでしょうが、こちらの診療所だと歯磨きやフロスの方法を見直して歯周病を改善するきっかけになりそうにありません。「大丈夫」なのですから。

 予防を大切にして診療するのか、今現在、治療が不要ならそれで良しとするのか。説明のニュアンスの違いで印象が違ってきますね。お口のケアは日々自分で取り組むことなので、モチベーションを左右する印象の違いは重要だと思いました。

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★【完成版】しあわせの歯科医療2 300-300

渡辺勝敏(わたなべ・かつとし)
読売新聞記者(メディア局専門委員)。1985年入社。 秋田支局、金沢支局、社会部を経て97年から医療を担当。2004年に病院ごとの治療件数を一覧にした「病院の実力」、2009年に医療健康サイト「ヨミドクター」を立ち上げた。歯科については歯茎や歯根があやしくなってきた10年来、患者としても関心を持たざるを得なくなっている。立命館大学客員教授。

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