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受給開始後に目減り?

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平均収入の4割に収束

受給開始後に目減り?

 若い世代ほど、もらい始める時点の年金の水準が低くなることを、 前回 説明しました。今回は、各年代で、65歳で受給が始まって以降にも目減りしていくという内容です。

 少子高齢化への対応で、年金の給付水準を徐々に引き下げる「マクロ経済スライド」という調整の仕組みが2004年度に導入されたことが、目減りの理由です。以前は、もらい始めた後の年金は物価が上がった分、引き上げられてきました。新しい仕組みでは原則、物価の上昇率から「調整率」を差し引いた分しか年金額は増えません。物の値段が全体的に上がっても、年金の方は同じほどは上がらないことになるのです。

 調整率は、少子高齢化の進み具合に応じ、毎年設定されます。仮に調整率が1%なら、物価が2%上がっていても、その年の年金額は1%分しか増えません。

 平均的賃金で40年間働いた会社員の夫と、同い年の専業主婦の妻という「モデル世帯」で考えてみましょう。年金の水準の比較には、現役世代の会社員男性の平均手取り賃金に対する割合(所得代替率)を使います。

 厚生労働省の試算では、現在64歳のモデル世帯が来年、年金を受給し始めるときの夫婦の年金額は、月20.7万円。会社員男性の平均手取り賃金(34.7万円)の59.7%に相当します。この割合は徐々に下がっていき、90歳になる頃には、40.4%まで低下します。

 とはいえ、長生きした人の年金水準が際限なく下がるのでは困ります。そこで、どの世代でも、現役世代の会社員男性の月収の「4割」を下回らないような措置が予定されています。

 さらに、物価の伸びが小さく、調整率を引くと年金額が前年より減ってしまうような場合には、前年の額を維持する仕組みもあります。このため、これまでにこの調整が実施されたのは15年度の1回のみです。

 調整は年金財政が安定するまで続けられ、14年時点の厚労省の試算では、終わるまで30年ほどかかる見通しとされています。

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