わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
顔を見ずに診察
福島県 会社員女性 45
胃痛で胃カメラ検査をした。医師は顔を見ずにおなかを触って薬を出すのみ。帰り際、看護師からいきなり、便を持参するよう言われ、不信感から足が遠のいた。大腸検査のため、とは後でわかった。2年後、よい医師に出会ったのを機に、当時の状況が知りたくなり、病院に資料を請求した。あの医師から電話があり「なぜウチを受診しなくなったのか」と問われた。「胃カメラがつらかった」と答えたが、一方的な診察が嫌だった。電話後、また胃が痛くなった。
一度ぐらい顔を見て優しく声をかけられないものか。
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目線を合わしたり外したりすることの意味
寺田次郎 フメイヨークリニック院長予定
「お前の顔なんか見たくない」という言葉があります。 でも、事後対応からすると、そういう意思ではなかったようですが、誤解を生んだケースでしょう。 ...
「お前の顔なんか見たくない」という言葉があります。
でも、事後対応からすると、そういう意思ではなかったようですが、誤解を生んだケースでしょう。
顔を見る、目線を合わすというのは一つの了承の合図でありますが、一方で、目線を合わせすぎることは失礼でもあります。
どの程度、視線や表情を合わせるのは適切でしょうか?
日本には阿吽の呼吸という言葉があり、サッカーにはノールックパスという言葉があります。
信頼関係を信じて、いくつかの動作をサボって、あるいは意図的にそのようにします。
あるいは、その医者もそういうコミュニケーションのステップをサボったりする傾向があるのか、忙しくてあまり声掛けする余裕がなかったのかもしれません。
また、医師によっては目線を合わせるのが苦手なシャイな人も居ます。
一方で、見ていないように見せて、ものすごく表情や全身を観察している場合もあります。
見られていると思うと非日常を演じる患者さんへの対策です。
しかし、そういう部分に関して患者さんの評価が分かれるのも確かです。
医者というのは結構めんどくさい仕事です。
昨今のパソコン画面ばかり見る医師の話ならずとも、頭の中の医学理論や人間関係のイメージをするために目を閉じたり、違う方向を見て別の事を考えたりしないといけません。
一方で、あからさまにやると、本文のように失礼や無関心ととられるでしょう。
だから、僕も忙しい仕事場や他地域などでの出張健診ではコメディカルスタッフにコミュニケーションの齟齬が発生した場合の仲介を手伝ってもらいます。
診察後の確認もとる悪くないお医者さんに見えますが、患者サイドからはそのように感じられない未熟な部分もあるのでしょう。
ただ、専門技術はどこか一方的にならざるを得ないのも事実なので、患者さんも理解して、その都度会話を求めるのも一つの患者の技術と思います。
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