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抗菌薬、半数近くが飲みきらず…完治しない恐れや耐性菌出現も

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 抗菌薬(抗生物質)を処方された人の半数近くが最後まで飲みきらず、残った薬を体調が悪くなった時に飲んだ人も2割を超えることが、国立国際医療研究センター病院の調査で分かった。家族や他人からもらって飲んだ人も約2割いた。調査は8~9月、10~60歳代の男女721人にインターネットで行った。

 抗菌薬は細菌が増えるのを抑えるために用いる。服用して症状が改善しても、途中でやめると完治しなくなる恐れがあり、薬が効かない耐性菌の出現にもつながる。抗菌薬をきちんと飲みきり、使い回しは避ける必要がある。

 今回、処方された抗菌薬を飲みきっているかどうか尋ねた質問では、「最後まで飲みきっている」が52%だった。「治ったら途中でやめる」(34%)、「最初からできるだけ飲まない」(8%)など、不適切な飲み方をする人もほぼ同数の48%に上った。

 飲み残した薬について、45%が「全て捨てている」と回答。一方で「いつか使おうととってある」30%、「体調が悪い時に飲んだことがある」22%と、半数以上が捨てずに保管していた。「他人にあげたことがある」も3%いた。

 別の質問で、家族または他人から抗菌薬をもらい、飲んだことがあると答えた人は21%。医師以外からもらった抗菌薬を飲むことについて、「症状が同じならば問題ない」18%、「受診せずに済むので好都合」10%など、肯定的にとらえる人も一定数いた。

 抗菌薬は、風邪やインフルエンザなど、ウイルスで感染する病気には効かない。しかし、風邪で抗菌薬の処方を希望する人が3割いるなど、正しい理解の普及が課題だ。

 薬剤耐性の研究を行う同病院AMR臨床リファレンスセンターの藤友結実子さんは、「医師が処方した通りに抗菌薬を飲みきることが、薬剤耐性対策にもつながる」と話している。

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