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大人の健康を考える「大人び」

コラム

患者力(2)がん怖くても検診を

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  このシリーズでは、元和歌山市医師会長で、田中内科医院(和歌山市)院長の田中章慈さんに聞きます。(米井吾一)

 

患者力(2) がん怖くても検診を

 私が最初にがんの告知を受けたのは、2000年のことでした。

 その3年ほど前から、医師会の健康診断でおなかに芋虫のような こぶ が見つかっていました。自覚症状もないし、「どうせ脂肪でしょう」とほったらかしにしていたら、いきなり瘤が大きくなった。血液のがんの一種「悪性リンパ腫」。 肋骨ろっこつ や背骨、脳を包む硬膜にも転移し、病期はステージ4でした。

 医者の不養生と後悔してもどうしようもなく、「おれ、死ぬんかな」と落ち込みました。ただ、2人の息子は大学生だったし、やりたい仕事もあった。がんに立ち向かおうと考えました。

 母校である和歌山県立医大に入院し、抗がん剤による治療を受けました。脱毛や手のしびれ、吐き気、息苦しさなどの副作用は想像以上のつらさでしたが、幸運にもがんは小さくなりました。

 16年に大腸がん、今年に肺がんが見つかりました。ただ、これらは悪性リンパ腫の経過をチェックする定期検査で早期発見できたため、手術で摘出できました。

 三つのがんを経験して言えるのは「がんは治る時代になった。しかも早く見つかれば治る確率はますます上がる」ということです。

 私に限らず高齢になれば体のどこかで毎日がんは生まれているものです。がんという病気に極度におびえるのではなく、できる限り治る状態で見つける。「怖いから、がん検診を受けない」という人もいますが、それは間違いです。

【略歴】
田中 章慈(たなか しょうじ)
1973年、和歌山県立医科大学卒。同大学助手を経て、和歌山赤十字病院第二内科副部長。85年、田中内科医院開設。2008年から13年まで、和歌山市医師会会長を務めた。日本臨床内科医会理事。

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