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未病シンポジウム「人生100年時代の未病最前線」

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[未病シンポジウム](4)母の「希望のリハビリ」…杉田かおるさん

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女優、健康マスター名誉リーダー 杉田かおるさん

[未病シンポジウム](4)母の「希望のリハビリ」…杉田かおるさん

 女優だけでなく、健康マスター名誉リーダーという肩書でも紹介してもらいました。日本健康マスター検定(健検)の「ベーシック・コース」は合格しましたが、「エキスパート・コース」はまだです。頂いた肩書は、さらに勉強しなさいという意味だと受け止めています。

 健検受検のきっかけは、今年1月に 看取みと った母の看病をした経験でした。長年、(肺や気道に炎症が起きて呼吸の苦しさや息切れを招く)慢性 閉塞へいそく 性肺疾患(COPD)を患い、5年前からは、酸素ボンベをつけて在宅介護を受けていました。落語家の桂歌丸師匠ら多くの人が亡くなっている病気です。国内でも530万人の患者がいると言われています。

 その母の介護では、初めて知ることばかりでした。公的なサポート制度は複雑で、もっと早く知っておけば良かったと思い、学ぶようになりました。

 振り返れば、私は幼い頃から、多くの健康関連の商品を購入しました。良かったものから、まがいものまで。選ぶための知識が不足していました。

 同じような経験をしている人にも、健検受検をお勧めしたいです。

 もう一つ、病気になっても、未病を目指して生きる大切さを話します。

 集中治療室(ICU)から奇跡的に戻ってきた母は最期の3か月、理学療法士による呼吸リハビリを受けました。全身の筋肉を鍛えて、肺の機能が弱っていても動ける呼吸法を訓練するという説明でした。母は、肺はダメだし、心臓は弱っていて車いす生活でしたが、手足は動かせました。

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母の介護体験をスライドで説明する杉田さん

 「このまま寝たきりでいいですか。棺おけまで歩くことを目指しましょう」と言われた母はがぜん、やる気になりました。生きているということを試してみたかったようです。2か月で200メートル歩けるようになり、朝ご飯を自分で食べて、携帯電話で私と話した後、意識がなくなり、私と妹が到着するのを待って、静かに息を引き取りました。83歳でした。

 母に残された能力や気力を最大限に活用して、日常生活に導く、「希望のリハビリ」でした。同じ病気の人にも希望を持ってほしいとの気持ちもあって、意欲的に続けられたようでした。

 COPDを治せなくても、リハビリで未病に戻れる。母が教えてくれたメッセージを伝えつつ、学んでいきます。

 ◇すぎた・かおる 1972年、7歳で、テレビドラマ「パパと呼ばないで」でデビュー。「3年B組金八先生」「池中玄太80キロ」など多数出演し、バラエティー番組でも活躍。介護や健康に関する講演活動も行う。

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